プロ野球の開幕日をめぐる迷走が続いている。
NPB加藤良三コミッショナーの指導力の欠如はとりあえずさておき、各自がそれぞれの倫理観や利害を持っているだけに議論百出はある意味当然であろう。

電力不足や原発からの放射能漏れに対する危機管理、被災者の感情への配慮と復興協力、各球団の利益、特例行政法人としての文科省の要望への対応、国民的娯楽としての社会的義務等々・・・
私の個人的な意見はすでに述べたとおりだが、ここはひとつ関係者の間でしっかり議論してもらいたい。

しかし、いずれにせよ決して忘れてはいけない視点があると思う。
それは、(被災者の方々へのお見舞いの念は忘れてはいけないが)電力供給や原発の危機が一旦去ったら、従来通りの経済活動を再開する義務がわれわれ国民はもちろんNPBにもあるということだ。

被災者の感情を逆なでする華美な催事は慎むべきだろうが、なんでもかんでも自粛というような雰囲気に陥ることは避けるべきだ。
それは経済の停滞を招き、結果的には復興を遅らせることに至ってしまう。
誤解を恐れずに言うなら、人々と企業が過剰な物理的移動と消費を行うことにより経済が活性化され、企業の設備投資の増加とともに国や自治体の税収も増えるのだ。
ひいてはこのことは被災地復興の大きな支援に繋がるし、また逆も真なりだ。

言い換えれば、NPBに求められているのは電力を膨大に消費するナイターやドーム球場での試合開催の回避であり、選手や観客の安全が確保されるのであれば開幕を無闇に遅らせることではない(その意味では選手会の主張は、セ・パ同時開幕でないことを問題視しているのか、それともセの開幕日程自体が尚早だと言っているのか論点が明確ではないと言わざるをえない)
この点を履き違えると議論は間違った方向に向かってしまう。

したがって、昨日このブログでも書いたがセンバツ高校野球も入場行進を自粛する必要など微塵もない。
ブラス・バンドでの応援も大いに結構だと思う。
高野連のお歴々は、まさかエレキ・ギターを使った応援が展開されると思っているわけではあるまい。

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