がん保険やがん特約に入る必要性とは?がんになると何が必要になるのか?お客さまと信頼関係を築き、がん保障を単なる“商品”という考え方では提案しないというAIGエジソン生命保険株式会社の社員で、MDRTのメンバーでもあり、ファイナンシャル・プランナーの資格も持つ貝瀬朗氏に、がん保険の見直しについて考えさせられる話を聞いた。

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 がん保険やがん特約に入る必要性とは?がんになると何が必要になるのか?お客さまと信頼関係を築き、がん保障を単なる“商品”という考え方では提案しないというAIGエジソン生命保険株式会社の社員で、MDRTのメンバーでもあり、ファイナンシャル・プランナーの資格も持つ貝瀬朗氏に、がん保険の見直しについて考えさせられる話を聞いた。

■ケーススタディ<Aさん 40歳代 脳に転移>

 Aさんは、体調が優れず近所の診療所に行ったところ、風邪と診断された。薬を処方してもらったが、数日経過しても好転の兆しがなかったため、総合病院で検査を受け直したところ、がんであることが判明。Aさんは、それまで勤務先の定期健診においても、とりたてて問題があると指摘を受けたことはない。それもそのはず、一般の定期健診では、PET検診等はなく、血液検査ではアミラーゼの数値が測定されないため、がんの早期発見がなかなか出来ないのが現状だからだ。

 担当医は、すでに手を施せない状態であると判断し、がんの医療設備が整った病院へ行くよう紹介状を書いて勧めた。紹介された病院で検査をしたところ、Aさんは余命1ケ月であると宣告された。  Aさんの場合、がん保険に入っていたものの、わずか1ケ月という短い闘病生活だったため、保障の恩恵は、遺族に遺された死亡保険金が主であった。入院期間が短かったことと、高額療養費が適用されたことから、家計に大きな影響をおよぼすほどの経済的負担が生じなかったためだ。

 Aさんの保険を担当していた貝瀬氏は、ご家族の役に立ちたいという気持ちから、ご家族が死亡保険金を少しでもすみやかに受け取れるように、リビングニーズ特約の適用と指定代理請求の手続きを行うことを奥さまに提案した。ところが、手続きの当日になって、Aさんの病状は急に悪化し、箸すら持てない状態になってしまった。「がんは、末期になるにつれ、日単位どころか分単位に感じるほど、症状の悪化が加速します」と貝瀬氏は話す。

 こういうケースは少なくないという。「お客さまにとって今何が必要で、どういったことが今後想定されるかを検証し、お客さまとの信頼関係を第一に考えて真摯にアドバイスをすることが大切です。私たちは、常にあらゆる可能性に対処できる体制でサポートします」と貝瀬氏は話す。

■ケーススタディ<Bさん 20歳代 白血病>

 Bさんは独身、一人暮らしをするごく一般的なサラリーマンで、特に健康状態に問題はなかった。一人暮らしということもあり、負担できる保険料も限られていたため、保険を担当していた貝瀬氏は、Bさんが負担可能な保険料での提案を幾度も繰り返していた。最終的に、Bさんは貝瀬氏の提案とは異なる保障内容を選択した。

 それからしばらくして、Bさんは風邪のような症状がいっこうにおさまらないため、総合病院で検査を受けたところ白血病と診断された。契約を交わしてからわずか6ケ月後のことである。

 Bさんが選択した保障内容は死亡保障を重視したもので、「医療保険や医療特約は最低限」という保障内容だった。Bさんにとっての“万が一”は死亡を意味し、保険金を親への感謝の気持ちに代えたかったようだ。貝瀬氏が提案していた医療保障については、給料が増えた時に見直すつもりでいたそうだ。

 「血液のがん」とよばれる白血病は免疫力が極端に低下するため、入院する病室は無菌室になり、面会できる外来者も家族に限定される。がんの治療方法は放射線治療、化学療法(抗がん剤)、外科手術に大別されるが、白血病の場合には外科手術の選択肢はなく、Bさんの入院期間は7ケ月にもおよんだ。治療に要した費用は最初の月が約70万円、2ケ月目は約150万円。病室代なども含む入院期間中の総支払額は月平均で約130万円となった。さらに、Bさんの入院期間中の家賃や光熱費を両親が支払ってくれていた。高額療養費が適用されたとはいえ、自己負担額は月々数十万円に及び、家族に経済的かつ精神的な負担をかけてしまう結果となった。

 Bさんは無事に治癒して社会復帰。死亡を前提に選ばれがちな生命保険だが、「治療」に関わる費用を保障する医療保険や特約、さらに先進医療費を保障する保険がいかに大切か、貝瀬氏はあらためて痛感したという。

【がん保険Q&A】Q.入院療養中は、治療費以外にどのような支出が考えられる?

A.賃貸住宅に住んでいれば入院期間中の家賃や光熱費がかかります。抗がん剤の影響で髪の毛が抜けてしまうとカツラの購入が必要になる人もいます。その他、協力してくれた親族や友人へのお礼などの支出が生じることもあります。

Q.保険は『カタチのない』買い物と言われますが、その点についてご意見を。

A.私は『カタチがあるもの』と考えています。例えば、一家の大黒柱が亡くなれば収入が減り、家計に影響をおよぼす可能性が高いでしょう。すなわち、それまでの生活スタイルを保てなくなる可能性があるということです。そして、生活スタイルは、“モノ”に依存していることが多く、保険による保障はその一部を補完できます。だから、保険は『カタチがあるもの』だと考えています。私はお客さま一人ひとりのライフ・パートナーとして、一生を考えてトータル・コーディネートを行っています。(編集担当:小林南々穂)



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