8日に行われた広州アジア大会のサッカー男子1次リーグA組、U−21の日本代表対中国代表は3−0で日本が圧勝したが、これに対して、現地では選手に対する失望が広がり、ひどい中傷も起きている。しかし今回、選手側からの反撃が始まり、中国サッカー界が混乱に陥っている。

 中国U−21代表メンバーで主力のひとり、正ゴールキーパー(GK)の王大雷選手は9日、自身のミニブログ(新浪微博)で、下記のツイートを行った(大意)。

※※※あなたたちは耐えることもできない、サポーターとは言えない、犬の群れだ。中国サッカーはこうした人たちにその進歩を遮られている。がけから落ちた人を助けようともせず、むしろ石を投げつける。言っていることに新味もなく、正確さもなく、何も分かっちゃいない。もし、私に納得いかないなら、私のところに来い。女々しく陰でこそこそ悪口言ってるんじゃねえ。※※※

 つぶやき後、王選手はすぐに通常の練習に戻ったが、練習終了後、マスコミ・記者に囲まれ、ミニブログの書き込みについて質問攻めにあった。いわく「なぜ、あのような罵倒語をサポーターに投げかけたのか」など。

 驚いたのは王選手。「さっき書き込んだばかりなのに、もうマスコミは嗅ぎつけ、騒ぎにしようとしているのか」。「特に何でもない書き込み。どうでもよい。罵倒語を使用したつもりはない。どこに罵倒語がある?」などと切り返したという。

 現地の報道によれば、王選手は、「自分が最高のパフォーマンスを試合で出すことは当然のこと。サポーターの私に対する批評も理解できる。書き込みは罵倒語ではない、罵倒語かどうかは尺度の問題では? 自分も言いたいことを言う」などとマスコミに答えたという。

 上記はあくまでも大意。原文の中国語は、一部用語をアルファベットで置き換えるなど、オブラートには包んでいるが、客観的にみて、中国語の罵倒語の形式にのっとっているとみて差し支えない。そうした意味では、王選手の弁解に少し無理があるのも事実だ。

 中国U−21代表の孫衛監督は、「書き込みを見ていない」とした上で、「もし過剰な書き込みがあったとしたら王選手の若さのせいだろう」として、マスコミに「(大会中であり、騒ぎを大きくすることで)王選手を圧殺するようなことは絶対にあってはならない」とくぎを刺した。

 大会中に発生した混乱ということで、選手たちのベストパフォーマンスのためにも沈静化が望まれるものの、書き込みが過剰な側面を持っているのは否定できない。サッカーに対する関心が非常に高く、時には過剰な反応も生じやすい中国、格好のマスコミの材料でもある本件、今後の余波が懸念される。(編集担当:鈴木義純)



■最新記事
【中国人に聞く】サポーターを罵倒した王大雷をどのように処分するべき?
【中国ブログ】日中サッカーは「石器時代と工業時代の戦い」
中国サッカー:日本に惨敗、五輪出場は「無理だよ」5割超…アンケ
主力で臨み、控え組日本に惨敗の中国「まるで学生チーム」―中国メディア
対日戦サッカー惨敗に「見るのやめ」、「ニュースじゃない」=中国