「特撮映像館」第37回は、2000シリーズ初の前作からの直接の続編。東宝特撮映画には縁の深い小泉 博も出演しています。

前作『ゴジラ×メカゴジラ』の続編、というより後編にあたる作品。
ゴジラが日本にやってくるのは、機龍につかわれた同属の骨が理由だったという設定で、それをほのめかすセリフが『ゴジラ×メカゴジラ』でも語られている。上映時間の関係で前作ではそこまで描けなかったということのようだ。「VSシリーズ」で未消化に終わったゴジラ対ゴジラ(『〜ビオランテ』や『〜スペースゴジラ』)というテーマに決着をつけたという印象もある。

本作ではモスラが登場するわけだが、小泉 博は映画『モスラ』で演じた言語学者と同じ役での出演。本作の世界観では過去のモスラも含まれているので、この起用は当然かもしれない。

釈も冒頭で少し出演し、研修のため隊を離れることで主人公の交代を説明している。

続編とは言え本作のみでも楽しめる内容にするため、前作と印象的にかぶる部分も多い。ことに主人公が制御不能になった機龍に乗り込むところなどはそうだろう。

死んだゴジラの骨を海に帰してほしいと小泉演じる言語学者の元に再び訪れる小美人。機龍に代わってモスラがゴジラと闘うという約束どおり、上陸したゴジラにモスラが向かっていく。

機龍の攻撃によって瀕死となり、モスラの幼虫の糸によって動けなくなったゴジラを抱え、機龍は自らの意思で日本海溝に向かっていく。

単独で鑑賞してももちろん理解できない内容ではなく、独立した作品として成立しているが、やはり前作を見ていないと少々辛いだろう。しかし前作を観た上で本作を観ると繰り返される内容が邪魔に感じてしまうところがあるのは事実だ。

本作で「2000シリーズ」は一応の終了となる。

ゴジラの生死は不明のまま海底深く沈んでいくというのは、これまでと同様の終わり方かもしれない。

監督/手塚昌明、特殊技術/浅田英一
出演/金子 昇、吉岡美穂、虎牙光揮、長澤まさみ、大塚ちひろ、小泉 博、ほか。
2003年/日本/91分

■ライター紹介
【猫目ユウ】

ミニコミ誌「TOWER」に関わりながらライターデビュー。主にアダルト系雑誌を中心にコラムやレビューを執筆。「GON!」「シーメール白書」「レディースコミック 微熱」では連載コーナーも担当。著書に『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』など。

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