第九回目となるyotuaの「心理的考察日誌」。今回のテーマは「人の価値観」について。

高級なものであれば「自分にとって価値があるもの」という考えも出来るが、人により価値観は様々。特に一般の人とオタクの人とでは価値観が明らかに違う。一般の人はブランド物は『価値』があるもの、もしくは『良い物』と考える。
そもそも、ブランドというのは何か?
これは元々、商品は識別する為の印であり、そのもの自体に価値があるという意味ではなく物に対する「信用力」によるもので、付加価値である。

芸能人、水商売人は人前に出る確率が高い為、ブランド物を身に着け「自分は高い物を着ている」という風に見せている。

ブランド品を身につけるだけで、人としての価値が上がる効果があるようで、誰しもが知っているようなものを身に着けていれば人は何故か関心感を抱く。

それは、ブランド品を持てば、一流であるという考えが念頭にあるもので、社会的地位のある人々は、ブランド品を何かしら身につけている場合が多い。
安っぽい物を身につけていると会社として下に見られてしまう可能性がある為、商談の席においては高いものを身につけているとも考えられる。

一方、オタクや趣味に走る人にとっては、『高級なもの』、『ブランド品』が価値があるとは考えていない。

漫画一冊、紙一枚、ゲームにおいてが価値のあると考える人が多い。
フリーアナウンサーの楠田枝里子さんは消しゴム集めで有名。
全国各地で集めた消しゴムは実に豊富で、専用の棚まで購入したそうな。
消しゴムというのも価値自体は低い物ではあるが、その人にとっては有益な財産であり貴重なものである。

評論家の森永卓郎さんもミニカーやフィギュア集めで有名。
家一軒が埋まっているというのを聞いた事がある。
一般の人が大したことが無いと思うものであっても、その人にとっては価値があるもので手放す事の出来ないもの。
有名人であれば、自分が培ってきた知識、集めた物に対しての著書を出版し利益に繋がるが、一般の人は出したところで大して稼ぐ事は出来ないし、理解を得られない可能性の方が高い。
でも、元を正せば利益を目的として集めているわけではないので単なる趣味のもの。
逆に趣味を著書として出すというのには抵抗があるのではないだろうか。

ネットワークゲームを考えてみると実に不思議なもので
普通に考えれば、ゲーム内のものであり、一般市場で出回るものではないので価値としては無いに等しい。
だが、ゲームを進める中では、キャラクターやアイテム自体に価値が出てくる。
あくまでネット上の世界ではあるが、状況によっては実際のお金を出して買うという事にもつながってしまう。
『ゲーム進行に役に立つ』、『キャラクターが可愛くみえる』、などの理由から購入するのだろうが一般の人には認知されない場合が殆ど。
そこに付け込んだのが「アイテム課金制」ではないかと考える。

色紙の場合、付加価値として高い値段が付く可能性もある。
芸能人、有名人であればその値段も一気に跳ねる事となる。
野球好きな人からすれば、プロ野球で活躍した人のサインとなればどんな物であっても価値を付けるだろう、それは活躍した人の価値という意味となる。
活躍した人の評判次第では、単なる紙切れにもなるし、数万円の値段が付く可能性もある。

つまり、物というのは人の考え方次第で価値が変わってくるもの
ようは物に対する「欲」ではないか。自分をよく見せたいからブランド物を購入する。
価値がある代物だから高い値段で購入する。ソレが欲しいから購入する。

一般人とオタクとも共通する事は「欲」で動いているという事ではなかろうか?

■ライター紹介
【yotua】

高校時代から趣味で小説を書いていたが、言葉の表現に苦しみ最近は全く書けていない。
大学時代に学んだ経済学や心理学の知識なども含め
人の行動や人の考え方を客観的判断し、物の考察を自分なりに考えるようになり、現在に至る。

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