フランス代表のローラン・ブラン新監督が6日、就任後の初会見を行なった。ブラン監督はまず「きょうここにフランス代表の監督としていられることをたいへん誇りに感じている。私にとってフランス代表は至上の存在。選手として、つらいときも、最高のときも経験してきた。私のフランス代表に対する愛情は、言葉で表せないほど絶対的」と代表への強い思い入れを語った。

 ブラン監督は、就任2年目(2008-09年)で優勝に導いたボルドーとの契約が残っていたうえ、ユベントスやセビージャなどの強豪から誘いを受けていたが、「フランス代表での挑戦という選択が他のすべてにまさった。この思いは、最近の難しい出来事があっても変わらなかった」と語り、強い決意を前面に打ち出した。

 「厳しさ、規律、喜び」という3つのテーマを掲げたブラン監督。「あとは仕事に取りかかるだけ。非常に難しいチャレンジとなるが、チームを高い目標へと導いていきたい」と語った。代表から心が離れつつあるフランス国民との“和解”については、「選手が自分の中に閉じこもるのでなく、もっと外へ開かれたチームにしたい」と述べた。

 純粋にチームを強くする、という意欲に燃えるブラン監督だが、フランス代表の改革、再建といった期待には、「ギロチン台に向かっているような感じがする。代表内部の空気が変わるよう願う」と語るなど、過度の重圧を意識しないよう努めているようすがうかがえる。

 W杯で南ア戦の2日前に起きた選手の練習ボイコットには「ショックと失望を感じた。多くの者に責任がある」というが、「処罰するのは自分の役目じゃない」と語り、「そのポジションで最高の選手を使う」とボイコットの“首謀者”とされるエヴラやリベリらをその理由で代表から外す意向がないことを明らかにした。