29日の日本対パラグアイ戦が行なわれた翌日、フランスのレキップ紙は、この一戦をW杯決勝トーナメントにしては「退屈な試合」だったと評した。試合全体に対する評価は、6点満点の2点。同日のもう1試合、スペイン対ポルトガル戦に5点を与えているのと比較すると、明らかな失望が感じられる。

 日本の戦いぶりについては、クロスバーを直撃した松井大輔のシュート(22分)、前半終了間際(40分)に本田圭佑が放ったシュートを除き、2時間にわたってチャンスらしいチャンスをほとんど作れなかったことを「残念」と嘆いた。

 というのも、「一次リーグで非常に見応えのあるスペクタクルを提供した」日本が、「ダイナミズムと精度の高いテクニック」で、パラグアイの固い守備を崩すことを期待していたからだろう。

 しかし実際には、「ロングボールを本田に合わせる戦術に頼りすぎ、本田の孤立を招いた」。今大会での日本の躍進を「全体としていい記憶を残すことになるだろう」と評価しつつも、「国際レベルで真の脅威となるには、力のあるフォワードに欠ける」と今後の課題を指摘した。

 選手個々の採点(10点満点)を見ると、パラグアイの平均4.45点に対し、日本は4.9点で上回っている。日本のスタメン11人に対する採点とコメントは以下。

GK
川島(6点):この試合の日本の“キーマン”。たしかにPKでは1本も止められなかったが、その前には2本の決定的なセーブに成功し、日本に最後まで希望をもたらした。

DF
駒野(3点):右サイドで“実直”な働きをしたが、攻撃への貢献はほとんどなかった。採点が下がったのは、PKのわずか数センチのずれによる。

中澤(5点):バリオス(パラグアイFW)との戦いに苦労したが、センターバックとしての固い守りに徹した。

闘莉王(5点):自分の役割を手堅く果たし、空中戦で強さを見せた。

長友(6点):積極的な攻撃参加があり、濃い内容。相手の得点を阻む決定的な好守もあった。

MF
阿部(5点):中盤の底で懸命に戦ったが、ときに雑なプレーもあった。

長谷部(4点):主将ながらあまりにも目立たなかった。

遠藤(6点):セットプレーで素晴らしい働き。技術の高いタッチでチームに貢献した。

松井(5点):クロスバーを叩いた華麗な浮き球のシュート(22分)、本田への完璧なパス(40分)はあったが、その後はほぼ何もなし。

大久保(4点):左サイドでの存在感があまりにも薄かった。

FW
本田(5点):ワントップというむずかしい役割で、果敢なプレスを仕掛けた。技術的なクオリティは申し分なし。