絶対に負けられない対ホンジュラス代表戦を2−0で乗り切ったスペイン代表。エースのビジャが2ゴールを挙げ、勝ち点3を獲得した。デル・ボスケ監督はこの試合、怪我でコンディションが悪いイニエスタとシルバをスタメンから外し、ヘスス・ナバスとF・トーレスを先発で起用した。

 右サイドアタッカーにヘスス・ナバス、左サイドにビジャをワイドに開かせ、サイドから切り崩すスタイル。前半からヘスス・ナバスとビジャの所を基点として攻めを展開したが、ビジャがサイドに居ることでトップのF・トーレスが孤立。センタリングしても中に飛び込む選手が居ない。チャビが2列目から何度か入り込んだが、ゴールに結びつけることはできなかった。

 先制点はコンビプレーではなく、ビジャの個人技から生まれる。左サイドでうまくディフェンダー2人を置き去りにし、スライディングシュート。体を倒しながらもなんとか右足を振り切った。ビジャの執念のゴールで得点を挙げたが、その後チャンスはあるものの決定的なシーンはなかなか作り出すことができなかった。

 後半開始早々、スペイン代表はホンジュラス代表のディフェンスラインと前線が間延びすると、ボールを奪ってカウンター。右サイドのヘスス・ナバスの折り返しをビジャが中央からシュート。ボールは相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。これでスペイン代表が楽に試合を展開できるかにみえたが、駄目押し点が奪えない。いつものリズム良くボールを動かしながら、スペースを突いて攻めるスタイルではなく、サイドからの速攻を中心にゴールを目指した。

 ヘスス・ナバスが奪ったPKはビジャが外してしまい、これで勢いが落ちてしまうスペイン代表。行き来が多い試合で、中盤にスペースができるとミスが目立ち出す。後半途中から入ったセスク、マタもゴールが奪えず2−0で試合は終了。チャンスを作りながらも駄目押し点が作れなかったスペイン代表。“勝ちはしたがスペイン代表の様ではない”とAS紙はスペイン国民の声を代弁。苦しむ優勝候補のスペイン代表。チリ代表戦では内容と結果で周囲を納得させられる試合ができるか注目される。

(スペイン通信)