スイス代表に敗れ、決勝トーナメント進出のためには、もう残りの2試合を勝つしかないスペイン代表。スイス代表との試合では再三ゴールチャンスを作ったがゴールに結びつけることができなかった。反対に数少ないカウンター攻撃からスイス代表にゴールを許してしまった。

 なぜあれだけのボール支配にもかかわらずゴールを奪えなかったのか。もちろん不運もあったが、これまでとの大きな違いはパススピードと前線に飛びこめる選手が少なかったことが原因と言える。後半からF・トーレスが出場するも、中盤で横パスはあったが、相手ディフェンスを揺さぶることはできなかった。

 そんなスペイン代表の攻撃に変化を付けられるのがアーセナルのキャプテンでもあるセスクである。チャビ、シャビ・アロンソ、セルジ・ブスケスは、ボールポゼッションでは問題ないが、ワントップのビジャを飛び越える動きができる選手達ではない。

 セスクは、この3人に比べて縦への動きを特徴としている。果敢にゴールを目指すドリブル突破や前線に飛び出してサイドからのセンタリングに合わせてゴールすることも珍しくはない。すでにデル・ボスケ監督はホンジュラス代表戦に向けてセスクを中盤に加えたオプションを練習で試しているようだ。

 ボールポゼッションからゴールをスムーズに狙うためにはセスクのようなタイプのMFは、引いて守る相手に強引に割り込むことができる。セスクが次の試合ではキーマンとなりそうだ。

(スペイン通信)