南アW杯グループリーグ1回戦の最終戦に大波乱が待っていた。優勝候補のスペイン代表対スイス代表の試合、前半から終始ボールを支配していたのはスペイン代表だったが、中央からのカウンターでワンチャンスをゴールに結びつけたスイス代表が1−0でヨーロッパ王者から勝ち点3をもぎ取った。

 「2回のカウンターで1本がゴール。もう1本がゴールポストに当たる大ピンチだった」とチャビは試合後に振り返ったが、まさにこのコメント通りにスイス代表はカウンターでスペイン代表を脅かした。残りの時間は防戦一方。しかし、集中力を保ち必死にスペイン代表の猛攻を阻止。貴重な1勝を挙げた。

 優勝候補と言われ続けたスペイン代表。「これで僕達が優勝候補筆頭でも何でもないことが明らかになった。これからはとにかく勝利のために頑張り続けるだけ。これがグループリーグで起こってまだ良かった」とピケは気を引き締めた。

 スイスのゴールの場面で果敢にタックルで突破を止めようと飛び出すも、ボールが後ろに流れピケのカバーも報われず、ゴールを許してしまったキャプテンのカシージャス。「みんな怒りが収まらない。こんな形で負けるなんて」と肩を落とした。「とにかく自分達のプレーを次の試合もするだけ。この敗戦がどんな影響を及ぼすかは分からない」と語り、次のホンジュラス代表戦に気持ちを切り替えた。

 まさかのスペイン代表の敗戦。これで2連勝が必須となった。優勝候補という言葉がプレッシャーとなったのか、W杯ではどんな代表も楽に勝てるような試合はないことが証明された。優勝ではなく、スペイン代表が決勝トーナメント進出のためにはもう勝つしか道は残されていない。

(スペイン通信)