今夏の移籍マーケットで、イタリアのユベントス移籍が確実視されながらも、リバプールに残留したMFシャビ・アロンソ。このスペイン代表を獲得しなかった経緯について、ユベントスのクラウディオ・ラニエリ監督は、「アロンソにはスピードが足りない」と語った。

 昨シーズン終了直後から、アストン・ビラのMFガレス・バリーの獲得を視野に入れていたリバプールのラファエル・ベニテス監督は、その獲得資金捻出のためアロンソを移籍要員に指名。そして、この26歳の獲得にはユベントスが早い段階から興味を示しており、移籍は確実かと思われた。しかし、結局アロンソは残留。その理由として、移籍金を巡る両クラブ間の交渉が決裂したことが挙げられていた。

 しかし、移籍期限から一月以上が経過した今になって、ユベントスのラニエリ監督がアロンソ獲得見送りの真相を告白。クラブ間の問題ではなく、アロンソの能力に疑問を抱いた結果だったと語っている。

「我々がアロンソの獲得を狙っていたのは確かだ。高い能力を備えた、素晴らしいフットボーラーだよ。しかし、中盤における彼の動きには、若干スピードが足りないように感じる。リバプールの中盤では、選手全員が戦士のように動き回るから、彼も十分なサポートを得られる。しかし、我がチームの中盤を司る、マウロ・カモラネージやパベル・ネドベドは、リバプールのウインガーのように後方をサポートしない。そういう点を今慮したんだ」

 今夏の去就問題を巡っては、「移籍要員になったのは人生初だったし、つらい経験でもあった」と語っているアロンソ。クラブへの不信感から今後の去就が注目を集めていたが、移籍先の最有力候補であったユベントスがその能力を疑問視していたことが判明しただけに、当面はリバプール残留で落ち着きそうだ。