4日の第8節でカーンを2―1で下し、4勝目をあげたマルセイユ。リヨンが初黒星を喫したため、リーグで無敗を守る唯一のチームとなったが、ドローも4試合と多く、エリック・ゲレツ監督の表情は渋いままだ。

 カーン戦で開始早々に先取点を叩き出したベン・アルファに、レキップ紙はこの試合最高の7点を与えたが、ゲレツ監督の評価は厳しい。「いいところ悪いところはあるが、悪いところのほうが多い。こう言うのも、彼がフランス・サッカー界でもっとも期待される選手のひとりだからだ。その期待からしたら、彼の働きは少なすぎる。ボールをとられてばかりいた。ゴールのあと、彼は8回もボールを奪われた。動きが不十分だ。もし十分に動いていたら、誰も彼を止められない。そんな場面はほとんど見られなかった」と同紙にコメントしている。

 ベン・アルファ本人も「僕もそう思う。もっとやれるはずだ。今シーズンはもっとコンスタントに活躍しなければならない」と認めている。リヨンでユース時代からともにプレーしたベンゼマと比べられることが多いベン・アルファ。ベンゼマがほぼ“完成”の域に達していると高い評価を受ける一方で、ベン・アルファはテクニック面でリーグ屈指と認められているものの、プレーが未熟、粗い、好不調の波が激しすぎる、などと指摘される。ベンゼマを至宝として扱うリヨンのオラス会長がベン・アルファをあっさりとマルセイユに出したことにも、二人に対する評価の違いがよく表れている。

 W杯予選のルーマニア戦(11日)に向けて、およそ4ヶ月半ぶりで代表に選ばれた。ユーロ2008では惜しくも最終選考で落選しただけに、今回はその雪辱を果たしたいところ。ゲレツ監督の叱咤が飛躍の期待を込めた激励であることは十分感じとっているはずだ。