“黒豹”のニックネームで呼ばれるサンテティエンヌのエースストライカー、バフェティンビ・ゴミスが5日の第8節モナコ戦で、今季リーグ戦初ゴールをあげた。試合は2―0でサンテティエンヌが勝ち、3連敗のあと2勝1引き分けと調子を取り戻している。一時は18位にまで沈んだが、13位へと盛り返した。なお松井大輔はベンチに入ったものの出場しなかった。

 ゴミスはリーグ杯(9月24日)で今季の公式戦初ゴールをマークしたあと、2日のUEFA杯で2ゴール。ここへ来てようやく、ユーロ2008で不発に終わって以降の不安を払拭する活躍をおさめている。

 ゴミスは試合後フランス通信(AFP)のインタビューに、「疑問が生じたことはなかった。選手権は38試合で結果を出すもの。しっかり練習を積んでいれば、いつか結果は出る」と楽天的に構えていた。過去2シーズン、10得点、16得点とチーム一のゴールを叩き出したゴミスだが、いずれも爆発したのは後半戦に入ってからだった。「スランプをどう乗り越えるかは、前よりわかっている」と精神的な成長に自信をのぞかせた。

 しかし「まだ課題はたくさんある」と謙虚な姿勢に変わりはない。W杯予選ルーマニア戦(11日)のメンバーに選ばれなかったことについても、「(選考=2日が)ゴールをあげたあとだったとしても、選ばれると考えるのは間違いだろう。自分がベストの状態に戻れば、監督も考えてくれるようになるはずだ」と焦っていない。

 昨季は後半戦だけで11ゴールを量産し、チームの終盤の猛ラッシュ(最後の10試合で6勝4引き分け、結果5位)に大きく貢献したゴミス。スロースターターの目覚めが本物ならば、下馬評では上位が予想されたサンテティエンヌだけに、ようやく躍進が期待できる。