もはやフランス代表にすっかり定着した感があるリヨンのMF、シドネー・ゴブー(29)。毎年シーズンオフになると移籍が取り沙汰されるが、今季で10年目を迎えた。リーグ7連覇を経験したのはクペ(現アトレティコ・マドリー)、ジュニーニョと3人いるが、リヨン生え抜きはこのゴブーだけだ。

 本来ならもっとクラブから大事にされてもいい選手のはずだが、オラス会長との関係はよくない。25日のレキップ紙には、ゴブーが会長を批判したインタビューが掲載された。

 ゴブーの言い分はこうだ。「僕は何も言いたくないんだ。会長ともそう決めた。しかし彼は何もかも(報道陣に)しゃべってしまう。ときに正反対のことを言うんだ。最初は僕がクラブを出ると言い、次に残ると言い出す。うんざりだ」と苛立ちをあらわにした。

 ブラジル人FWのフレッジもオラス会長の発言によく翻弄されるひとりだ。最近もオラス会長から「移籍期間が終わると、とたんにフレッジのケガが治るんだ」とコメントが出たばかり。これについてフレッジはレキップ紙に「もちろん傷ついた。何しろ僕のヒザのケガはほんとうに深刻だったのだから」と語る。ただし「彼のことは尊敬しているし、意地悪で言ったのではないと思う」とゴブーに比べて慎重。

 フレッジは同じインタビューで、昨年の離婚で前妻が娘を連れてブラジルに帰国してしまったため、娘に会えるようブラジルのチームに期限付きで出してほしいとクラブに申し出たことを明かしている。しかしその願いは受け入れられなかった。リヨンとの契約は来年6月で満了するが、近く会長と更新について話し合う予定だという。娘との別離を乗り越える覚悟がついたフレッジは、リヨンに残ることを最優先に考えている。このタイミングでオラス会長に関する発言に慎重にならざるを得ないのも当然だ。