フランスが生んだサッカー界のスーパースター、ジネディーヌ・ジダンの“隠された素顔”に迫ると喧伝された本「Zidane, une vie secrete」(ジダン、秘められた生活)が24日、フランスの大手出版社フラマリオンから発売された。

 出版計画が発表されたのは昨年12月。これまで出された“ジダン本”とは異なり、ジダンの私生活、ビジネスとの関わり方、さらにはドーピング疑惑に迫る「攻撃的な」ものになると伝えられた。
 
 著者は週刊誌「レクスプレス」の記者として、政界の裏側やイスラム社会の問題に取り組んできたベスマ・ラウリ氏。この本の出版にジダン本人は同意していない。

 当初の予定では、ユーロ2008開催前の5月23日に発売されるはずだったが、4月に原稿が2度の盗難(編集担当者と著者の家から、修正メモや原稿のほぼすべてが収められた2台のノートパソコンが盗まれた)にあい、今回までずれ込んだ。

 ようやく発売にこぎつけた“曰く付き”の本だが、評判は芳しくない。各メディアには、話題先行で、驚くような新事実はないに等しく“期待外れ”との書評が相次いだ。発売前に本の抜粋を独占紹介したレクスプレス誌でさえ、「内容にムラがあり、著者はサッカーについての知識に欠ける」と辛い評価だ。

 この本の主要なテーマのひとつは、ジダンのビジネスとの関わり方についてだが、フランス通信(AFP)によれば、「大企業の広告塔となったジダンにケチをつけただけ」となる。