松井大輔が所属するサンテティエンヌから、MFのパスカル・フェインドゥノ(ギニア代表主将)が抜け、カタールのアル・サッド・ドーハに移籍する模様だ。レキップ紙が22日夜にウェブ版で報じたところによると、翌23日に同クラブのメディカルチェックが予定されている。なお、カタールの移籍期間は22日0時が期限だった。

 フェインドゥノは21日、パリ・サンジェルマンに勝った試合後、テレビのインタビューに対し、アル・サッドと交渉中であることは認めたが、「まだわからない」と笑顔で答えていた。

 ルセー監督は「主力選手が他から誘われるのは、もちろんチームにとって痛い。湾岸諸国が再び攻勢をかけてきているのは知っているが、たしかにその金額を聞くと...」と言葉を詰まらせた。

 レキップ紙によると、移籍金は推定700万ユーロ(約11億円)。年間予算が6000万ユーロのクラブにとっては悪くない商談だ。加えてフェインドゥノに提示された年俸も200万ユーロ(約3億1200万円)と破格。監督は21日の時点で「我々は穏やかに話し合う。彼が残りたいというのなら、クラブの目標のために頭を切り替えてもらわなければならない。彼が出たいというのなら、引き止めるのは難しいだろう」と語っており、昨シーズンもサウジアラビアのクラブと移籍がまとまりかけた経緯からすると、半ばあきらめざるを得ないという口調だった。

 フェインドゥノは27歳。リーグ・アンで11シーズン目(サンテティエンヌでは5シーズン目)と脂の乗ってきた時期で、リーグ屈指のテクニシャンとして高い評価を得ている。今季は6戦中5試合に出場しており起用法に不満があるとは考えにくい。チームの司令塔であり、もっとも人気の高い選手のひとりでもある。チームがUEFA杯に出場しているタイミングに欧州の第一線から退いてしまうのは、ファンにとって納得しがたいことだ。ただし経営陣の中には、フェインドゥーノの調子に波があることをよく思っていなかった人物がいるとも伝えられる。

 フェインドゥノのポジションはセンターあるいは右サイドで、松井と直接かぶってはいなかったが、看板選手の流出で松井に出場機会がより多く回ってくる可能性はある。

 ちなみにフェインドゥノは7月22日に自身のブログで、松井の加入について「いい補強をした」と非常に喜んでいた。「熱意、若さ、才能」のある攻撃陣でゴールを量産、見せるサッカーをして5位以内に入る、と意気込みを書いていたが、リーグ戦の合間にUEFA杯、アフリカネーションズ杯と続くことを気にかけ、「シーズンは長い!」とややボヤキ気味に、好きじゃない筋トレにも励んでいることも明かしていた。それで疲れてしまったのだろうか、1週間に1度(できれば2度)のペースで書くと宣言していたブログはそのとき以来更新されていない。