17日のチャンピオンズリーグ(CL)初戦でリヨンと対戦するフィオレンティーナの守護神セバスチャン・フレイが前日、久々に母国フランスの報道陣を前に語った。代表引退を発表した8月21日の記者会見から久々の登場となった。レキップ紙が報じている。

 W杯予選を控えた親善試合で代表に選ばれなかったことを理由に、早々と代表引退を決意したフレイだが、今回のCL第1戦は、自分を“蹴落とした”相手のひとりであるリヨンのGKユーゴ・ロリスとの対決となる。「彼のことはほとんど知らない。今回は彼を知る機会になるだろう。しかしフランスではよく話題になるし、このまま行けば、フランス代表GKとして定着するだろう」と淡白に語った。

 ただし、フレイが直接向き合うのはリヨンの攻撃陣。FWのベンゼマについては、「代表でいっしょにプレーするチャンスがあったけど、彼は欧州でもっとも有望なFWのひとり。対決が楽しみだ。集中力を失わないよう気をつけなくてはならない」と語る。もうひとつの脅威はジュニーニョ・ペルナンブカーノのフリーキック。「彼の武器は20〜30メートルのFK。この地点でファウルを犯さぬよう注意する必要がある。FKをとられた場合は、自分がベストを尽くせばいい」と警戒しつつも自信をのぞかせた。

 今後フランスに戻る意思はあるかという質問には、「自分のキャリアはイタリアで築いてきた。フィオレンティーナ以外で自分の力を発揮する必要はないと思っている」と現役引退まで現在のクラブに留まる考えを仄めかした。リーグ・アンにもフランス代表にも縁の薄かったフレイ。久々に母国でのプレーとなるリヨン戦だが、「気合いは十分だけど、フランスにいるからというわけじゃない。特別な感情はないよ」という。その淡々とした語り口からは、あくまで敵地、という意識が感じられる。