リーグ・アン第5節の残り3試合が14日に行なわれ、パリ・サンジェルマン(PSG)がナントを1−0で下して3位に浮上した。過去2シーズン続けて降格の危機にあえいだPSGにとって、3位以内に入ったのは2006年1月以来はじめて。

 唯一のゴールは、微妙な判定で得たペナルティーをマテヤ・ケジュマンが決めた。フェネルバフチェから移籍してきたばかりのケジュマンがフランスであげた初ゴールとなった。

 MFジュリがこの試合について「前半はよかったが、後半は失速した。すごい試合をしたわけじゃないけど、重要なのはホームで3ポイントを得たことだ」(フランス通信)と振り返った内容が今季のPSGの状態をよく言い表している。

 PSGはこれまで3勝1敗1引き分け。5試合であげたゴールはわずか4点だが、失点も2点と少ない。後半に息切れして逆転され「内容はよいが勝てない」と言われた昨季までの脆さは払拭された感がある。この試合は中盤の要マケレレを警告累積で欠いたが、最後まで全員で守り切った。

 攻撃力の不足については、オアロ、ケジュマン、ジュリ、セセニョンと新加入の4人がいい動きを見せており、今後の改善は十分に見込める。とくに昨季までル・マンで松井大輔のパートナーだったセセニョンは、司令塔の役目を存分に果たしており、今季の飛躍が期待される。

 ジュリは「だんだんと調子を上げていくよ。いまは何かをつくり直しつつあるところ。いますぐ全部がうまくいくわけがない。上位のほうが下位よりいいのはもちろんだけど、やるべき課題はたくさんある」と、予想外の3位浮上にも内容的にはまだまだであることを認め、気を引き締めている。