13日のリーグ・アン第5節で、リヨンがニースに3―2で逆転勝利をおさめ、今季4勝目をあげ首位に浮上した。今季これまで無失点だったリヨンだが、試合開始後20分の間に2点を失う苦しい展開。これを救ったのが、40分、73分に2本のフリーキックをゴールに叩き込んだジュニーニョ・ペルナンブカーノだった。

 リヨンに在籍して以来、FKからのゴールは40点を数える。33歳になり、開幕前から“ピークは過ぎた”と囁かれてきたジュニーニョだが、この2発で世界屈指のプレースキッカーとしての健在ぶりをアピールした。

 ロスタイムに審判の微妙な判定でリヨンがペナルティーを得ると、ハットトリックのチャンスにも「今夜はどうしてもゴールをあげたい」と頼むベンゼマに快くキックを譲った(リヨン公式ホームページ)。代表戦で不発に終わり、この試合も途中からの出場だったベンゼマに配慮した“アニキ心”が感じられる。昨シーズン同様、若きエースが開幕から“1試合1得点”のペースを守り、勢いを失わないことがチームにとって重要と考えたはずだ。

 ゴブーとともにリヨンの7連覇すべてに貢献してきたジュニーニョ。クペ(現アトレティコ・マドリー)の移籍後はチーム最年長となり、リヨンの精神的支柱であることは自他ともに認めるところ。昨季の開幕前には、精神的に負担のかかる主将を辞退し、同じブラジル出身のクリスに役目を譲ったが、そのクリスがケガで長期離脱したために、結局シーズンを通してキャプテンの腕章を付けることになった。今季は拒むことなくごく自然にその役割を引き受けている。ほかに4人いるブラジル人選手のまとめ役としても不可欠な存在だ。

 17日にはチャンピオンズ・リーグ(CL)の初戦(対フィオレンティーナ)を控える。「CLは僕にとって最高の夢。東京(FIFAクラブワールドカップ)に行きたい」と語るジュニーニョ。大一番ではとりわけチームリーダーそしてプレースキッカーの存在が結果を大きく左右する。ジュニーニョの健在ぶりは若手中心のリヨンにとっては心強く、相手チームにとっては脅威だ。