フランスのレキップ紙が8日、9日に開幕戦を迎えるリーグ・アンのシーズンを占った。今季は8連覇をめざす王者リヨンに、昨季の2位と3位、ボルドーとマルセイユが挑む形となるが、3チームの力は拮抗しており、三つ巴の激戦が予想される。

 同紙の予想によると、やはりリヨンの優位は揺るがない。守備陣では守護神のクペ、CBスキラチを失ったが、世界屈指の若手GKロリス、ガーナ代表CBのメンサーを獲得、昨シーズンの大半をケガで棒に振ったクリスの復帰と、イタリア代表のグロッソがチームに溶け込んだことを考えると、守備は安定度を増したといえる。

 中盤は、ベン・アルファが抜けたが、マクーン、ピヤニッチ、エデルソンを加えて盤石の布陣。攻撃は、不動のエース、ベンゼマを経験豊富なピキオンヌが補い、不安は少ない。知将と評価が高いピュエル監督を指揮官に迎え、圧倒的な強さを誇った2006年のウリエ監督時代のチームに似た「見せるサッカー」より「勝つサッカー」が復活する可能性は高い。

 リヨンの8連覇を阻む筆頭候補に挙げられるのがボルドー。昨季の路線を継承しつつ、プラセンテ(左SB)、グルキュフ(MF)、グフラン(FW)と各ポストの補強に成功、2年目ブラン監督の確実なチーム作りが高い評価を受けている。

 打倒リヨンに燃えるマルセイユは派手な補強で大幅な戦力アップを成し遂げた。司令塔ナスリの穴は、ベン・アルファとバカリ・コネでカバーできそうだ。昨季までの弱点だったセンターバックには、イウトン、エルバテの強力なコンビを揃え、これまでの脆い印象はなくなった。マルセイユの特徴である破壊力も健在。イングランドへの移籍を希望していたシセの残留が決まり、昨季のチーム得点王ニアンとの2トップはリーグ一だ。

 この3強に迫るのがサンテティエンヌ。ゴミス、パイエットと伸び盛りの若手に司令塔フェインドゥノと松井を加えた攻撃陣は、リーグ屈指と評価が高い。一方、守備の面では、フランス有数のCBピュイグルニエを獲得できなかったのが痛い。

 マケレレ、ジュリ、セセニョンと大物を獲得したパリ・サンジェルマンの存在も面白い。ただし、パウレタ、ディアネと二枚看板の抜けたFWには課題が残る。レンヌからブリアンの獲得に失敗したうえ、オランダで3度の得点王に輝いたケジュマンの獲得もフェネルバフチェとの交渉が難航している模様。昨季28ゴールでリーグ・ドゥの得点王となったオアロがどこまでやれるかがチーム浮沈のカギを握る。