今オフにリーグ・アンでもっとも“派手”な補強を行なったパリ・サンジェルマン(PSG)。心臓に異常が見つかり現役続行を断念したテュラムの入団こそ叶わなかったものの、マケレレ、ジュリと大物を獲得した。

 ただしこの2人はピークを過ぎて、言わば“現役最後”のプレー先を母国に求めた選手。降格の危機を味わったここ2シーズンの轍は踏むまいという意欲で補強に臨んだものの、大きな戦力として期待できそうなのは、ル・マンから獲得したセセニョンと、昨季のリーグ・ドゥ(2部)得点王のオアロくらいだ。とくに課題だったセンターバックの補強が思うように行かなかった。

 ジェペス(コロンビア)の抜けたCBには、昨シーズン加入のカマラと、ル・グエン監督が一時主将として起用したほど期待をかけている18歳のサコに頼らざるを得ない。

 加えて、レキップ紙によると、期待のマケレレとセセニョンが2日後の開幕戦(対モナコ)に出場できないことが明らかになった。マケレレは太腿の軽い肉離れ、セセニョンは昨シーズン最終戦で累積した警告のため。

 なおPSGは、昨季までのFWの二枚看板(パウレタとディアネ)の穴を埋めるべく、最後までストライカーの補強を試みている。もっとも熱心に動いたブリアン(レンヌ)の獲得を断念した現在、残る望みは、PSVアイントホーフェン、チェルシー、アトレティコ・マドリーを経てフェネルバフチェに所属するセルビア代表FWのマテヤ・ケジュマン。オランダで3度の得点王に輝いたストライカーを開幕直前に獲得できるか否かは、今季のPSGの命運を左右すると言っても過言でないほど大きい。