スベン・ゴラン・エリクソン監督の去就が注目を集めるマンチェスター・シティが、チェルシーを退団したばかりのアブラム・グラントを新監督候補としてリストアップしているようだ。

 タクシン・シナワット元タイ首相がオーナーに就任して迎えた今シーズン、エリクソン監督率いるマンCは大型補強が功を奏し、シーズン前半戦で快進撃をみせた。しかし、中盤戦以降はその勢いも失速し、最終的には9位でリーグ戦を終了した。前年14位のチームに確実な進歩はみられたが、オーナーのタクシンはこの結果に不満を抱き、エリクソンの解任を示唆。現在、大物監督の招聘を画策しているといわれている。

 現時点で、マンCが監督候補リストのトップに挙げているのが、現ポルトガル代表監督のルイス・フェリペ・スコラーリだ。しかし、ユーロ2008を控えたスコラーリは、マンCのポストに興味を示していないといわれている。そこで、マンC首脳陣は新たな候補として、プレミアリーグとチャンピオンズ・リーグの2冠獲得に後一歩の所まで迫ったグラントに白羽の矢を立てた様子。英国大衆紙『ザ・サン』が報じたところによると、マンCサイドはすでにグラントの代理人に接触しており、4月30日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ準決勝のリバプール戦直後に直接会談の場が設けられたとも言われている。

 メキシコ代表監督の就任がうわさされるなど、エリクソンの去就が注目されるマンCの監督人事。もはや退団が規定路線となっているスウェーデン人監督の後任に急浮上したグラントは、プレミアリーグで新たなキャリアをスタートさせるのか。いまだチェルシーとの契約問題が解決していないといわれるグラントだが、ロマン・アブラモビッチ・オーナーの下で監督を務めた経験を持つだけに、“現場に口を出す”オーナーが率いるチームには最適な人材なのかもしれない。