UEFA杯といえばCLに次ぐ、すべての欧州クラブの目標である。全欧州から集う本選出場チームは88チームに及ぶが、広大で深遠な欧州サッカー界にあって出場の栄誉を勝ち取ることはやはり限られた狭き門だといえる。
まず国内リーグ戦で上位を得ることが最善かつ唯一の方法のようだが、参戦権を得るための意外な“抜け道”がある。「フェアプレーを心がける」ことだ。

 何だか日本の甲子園における「21世紀枠」みたいな話だが、実際にUEFAは「フェアプレー枠(※以下FP枠と表記)」を3つ用意している。UEFAは1994年から国ごとにフェアプレー度を測るリポートを作成し、これがUEFA杯のFP枠選出指標になっている。リポートは全クラブの国内リーグ戦と国内外カップ戦、さらに代表チームまでその国が関わる全試合を網羅したものだ。
 警告・退場数はもちろん、相手チームや審判への態度、監督・幹部の態度、プレーのスペクタクル度、そして(ここが重要なのだが)観客の態度までが細かくポイント換算され、シーズン終了時にクラブと国ごとにすべてが積算される。
 最も優秀な成績をおさめた国にFP枠が1つ与えられ、あとの2枠はリポート成績上位7か国から抽選で選ばれる仕組みになっている。