フランス代表のレイモン・ドメネク監督が14日、ユーロ2008に臨むメンバー23人の最終発表を29日に行うことを明らかにした。当初メンバー発表が予定された18日には29人を招集し、21日から行われる代表合宿、27日の調整試合(対エクアドル)を通じて、23人に絞り込む。

 ドメネク監督はこの選択について、チャンピオンズリーグ(21日、マンチェスター・ユナイテッド対チェルシー)、フランス杯(24日、パリ・サンジェルマン対リヨン)、イタリア杯(24日、インテル対ローマ)という3試合の決勝戦が控え、およそ15人の代表候補が出場するため、その前にコンディションを見極めるのがむずかしいことを理由に挙げた。

 6人の選手がユーロ直前に落胆を味わうことになるが、監督は「選手の立場で考えたら、落ちる選手が苦しむのはわかっている。しかし、個人より集団の目的を果たすほうが重要だ」と語り、「この世界では、誰もがこういう状況に慣れている。もしメンバーに選ばれないことを受け入れられない選手がいるなら、べつの仕事をするべきだ」と勝つために“非情の選択”はやむを得ないとの考えを示した。

 なお29人の中には、ゴールキーパー4人が含まれることがわかっている。これまでのクペ(リヨン)、ランドロー(パリ・サンジェルマン)、フレイ(フィオレンティーナ)に加えて、今シーズン頭角を現し、リーグ・アンのベストGKに選ばれたマンダンダ(マルセイユ)が4人目となりそうだ。ただし、ドメネク監督はGKに何より経験を求めているため、3人に明らかなコンディションの悪化が認められた場合の“おさえ”と見られる。とくにセカンドGKのランドローは、チームが2部降格の危機に立たされ、フランス杯決勝も戦うことで、疲労の蓄積が懸念されている。