「炎上」から1年。ジャングリア沖縄はなぜ口コミ2点台から4点台へ急上昇できたのか? 副社長を直撃
同テーマパークは、経営危機に陥っていたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)をV字回復させた、マーケティング会社「刀」の森岡毅氏が手掛けたこともあり、開業前から大きな話題を呼んでいた。
総工費700億円、沖縄の自然と融合した「大自然没入型」の世界観、ここでしか味わえない本物のクオリティ……。
まもなく開業から1年を迎えるジャングリア沖縄だが、果たして、今後の見通しや事業成長の目処が立っているのだろうか。
ジャングリア沖縄を運営する株式会社ジャパンエンターテイメント 取締役副社長の佐藤大介氏に話を聞いた。
◆開業初期の批判や失敗の先に見出した“手応え”
まず、ジャングリア沖縄の現状について率直な感想を求めると、佐藤氏は「課題はまだ数多く残っていて、思い描いていた通りに進まなかったこともたくさんあるが、『必ず成功できる』という確かな手応えも感じている」と答えた。
同氏は以前、経営危機にあった青森県の古牧グランドホテルを「星野リゾート青森屋」として再生させ、V字回復に導いた経験がある。
そうした視点から今のジャングリア沖縄の状況を見ると、「人材や資源の面では十分に恵まれた環境にいる」と自信を覗かせた。
「成長を実現するための仲間がいて、組織があり、設備もある。もちろん課題はありますが、『お金もない、人もいない、施設も老朽化している』という状態から再建するケースと比べれば、挑戦できる土台は整っています。
加えて、現在は観光需要そのものがコロナ禍と比べて回復しており、多くのお客様が沖縄を訪れているのも大きな追い風になっています。実際にジャングリア沖縄の来場者数も着実に増えており、お客様の満足度も改善傾向にあります」(佐藤氏、以下同)
◆ジャングリア沖縄が本気で取り組んだ構造改革とは
開業当初は、オフィシャルアプリのシステム不具合や長時間の待機列、さらには広告イメージと実際の体験クオリティとの乖離など、さまざまな課題が積み上がった。これらに加え、オペレーション面での経験不足や準備不足も相まって、批判やトラブルが集中する事態を招いたことは否めない。
しかし、こうした課題に対して真摯に向き合い、改善に向けて取り組んできた一つひとつの施策の成果が、目に見える形として現れてきているという。
まず注力したのがオペレーションの見直しだ。
待ち時間の短縮一つをとっても、並び方や案内方法の改善、スタッフの配置など、細かな運営改善を行ってきたと佐藤氏は話す。
「例えば人気アトラクションのジップライン『スカイフェニックス』では、安全確保のためにハーネス(墜落制止用器具)装着の入念なチェックは欠かせません。その一方で、長時間の待ち時間を解消する効率性も求められます。そのため、現場のスタッフたちは、ハーネスのサイズ選択や装着の順番、備品の配置場所などを細かく見直しながら改善を続けてきました。
その結果、当初は5分に1回程度だったジップラインの運行間隔を、現在では約2分30秒に1回まで短縮することができました。他のアトラクションでも、回転率が1.2倍から最大2倍近くまで向上するなど、生産性改善の成果が着実に現れています」
また、人気アトラクションの入場方法を「整理券方式」からアプリ上の抽選方式へと変更したことも、大きな改善につながったそうだ。
