SixTONES

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 10月16日、SixTONESが今年の2月から4月にかけて開催した初の4大ドームツアー『SixTONES LIVE TOUR 2024「VVS」』のDVD&Blu-rayが発売された。今回のツアーではグループとして初めて生バンドの演奏でのパフォーマンスに挑戦。本稿では昨今増えているボーイズグループの生バンド演奏を取り入れたライブに焦点を当て、堀り下げていきたい。

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 SixTONESのツアー『VVS』は、観客が360度囲むステージや6方向に長く伸びるクレーンなど、演出にこだわっていたことが印象的なコンサートだった。重いロックテイストな楽曲も多い彼らの楽曲とバンド演奏はよくマッチしていた。グループの公式YouTubeにはダイジェスト映像が投稿されており、1曲目の「アンセム」から激しいドラムが会場の熱をかき立てていることが伝わってくるだろう。打ち込みの電子音とバンドサウンドが合わさり、よりパーティーチューンとしての存在感が増した「Outrageous」や、ロックリアレンジバージョンとして披露された「Hysteria」など、音源だけでは感じ切れない魅力をライブならではの形として昇華させたのだ。

 アルバム『THE VIBES』の中でも特にロックテイストの強い「Something from Nothing」は、比較的スローテンポのバンドサウンドに松村北斗の地を這うような低い歌声や田中樹の嗄れた歌声がよく合い、生のバンド演奏でしか表現できない楽曲の真の世界観を作り上げた。また、生バンドの良さが光ったのは激しい楽曲だけではない。アコースティックバージョンで披露された「マスカラ」では、バンドメンバーとともにセンターステージで円になり音に揺られながらしっとりと歌い上げており、SixTONESの色気のある魅力が存分に感じられた。

 5人組ダンス&ボーカルグループ・Da-iCEは今年1月15日に結成10周年を記念して開催した『Da-iCE 10 th Anniversary LIVE』で生バンド演奏でのパフォーマンスを披露した。Da-iCE史上7年ぶり二度目の武道館でのワンマンライブ。彼らはこれまでにも度々生バンド演奏でパフォーマンスをしてきたが、同公演ではストリングスとホーンを入れる初の試みに挑戦。豊かに響く歌声とめくるめく賑やかなダンスパフォーマンスに厚みのあるサウンドが華を添え、結成10周年記念にふさわしい豪華なライブとなった。

 次に紹介するのはグローバルボーイズグループ・JO1。これまでに開催してきた全国ツアー『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』と『2023 JO1 2ND ARENA LIVE TOUR ‘BEYOND THE DARK’』ではともに生バンドでのライブを作り上げた。バンド演奏といえば激しく重いナンバーの印象が強くなりがちだが、不思議で妖しい世界観を持つ「SuperCali」や朝にぴったりな爽やかさの溢れる「NEWSmile」のような彼らの幅広い楽曲にもバンド演奏はよく合う。

 アルバム『EQUINOX』のリード曲である「Venus」は儚くも壮大な世界観のある楽曲で、迫力満点の生バンド演奏が彼らの華麗なるフォーメーションダンスを引き立たせ、より感動的なパフォーマンスへと導いていた。そして、今年9月21日に茨城・国営ひたち海浜公園で開催された『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA』に出演した際もバンドとともにステージに立ち、ロックフェスにふさわしい盛り上がりを作り上げた。

 また、JO1は配信ライブでもバンド演奏によるパフォーマンスを行ったことがある。中でも2021年2月20日に配信された『JO1 Live Streaming Concert STARLIGHT:DELUXE』からは、初のバンドコラボとして「GrandMaster」「OH-EH-OH」の2曲のバンドバージョンが音源として各種サブスクリプションで配信されている。

 そして、JO1と同事務所に所属するINIは、今年8月17日、18日に開催された『SUMMER SONIC 2024』にて、初めてステージに生バンドを迎え、ともにパフォーマンスを行った。彼らの楽曲といえば、WANIMA・KENTAが作詞曲を手掛けた「HERO」がバンドサウンドを活かしたものとして挙げられる。

 「HERO」は様々な音楽フェスに引っ張りだこな彼らの定番曲でもあり、生バンドの演奏と彼らの歌唱力が合わさって大きな盛り上がりを生んだ。また、メンバーの髙塚大夢は「We Are」と「FANFARE」でギター演奏を披露。さっぱりとした軽やかさのあるこの曲にバンド演奏ならではの重厚感をプラスし、楽曲の新たな側面を作り上げるとともに、メンバー自身が今まで秘めていた武器も魅せ上げたのだ。

 BE:FIRSTは昨年から今年にかけて開催した『BE:FIRST ARENA TOUR 2023-2024 “Mainstream”』で初めて生バンド編成のライブを行い、その後のドームツアー、フェスへの出演時にも生バンド演奏でのパフォーマンスを披露している。派手にリズムを刻むドラムが目立つ「Scream」や歪んだギターが印象的な「Brave Generation」など、音源で奏でられているもともとのバンドサウンドが生の演奏によって完成度を増す楽曲もさることながら、他の楽曲もロック調にアレンジされることによって、ライブならではの特別な盛り上がりを見せていた。

 生バンド演奏でのライブを成功させるには、通常の形でのパフォーマンスの完成度の高さは大前提としながらも、それを保ちながらもバンドサウンド特有のグルーヴに乗り、歌い上げるテクニックや迫力のある演奏に負けないパフォーマンススキルが必要だろう。生バンドを引き連れてライブが行える彼らの実力は、グループとして大きな武器になっていきそうだ。

(文=池田夏葉)