浮動票獲得へ選挙戦加速、ハリス氏はチェイニー元下院議員と遊説

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Andrea Shalal Steve Holland

[ロイヤルオーク(米ミシガン州)/スワンナノア(米ノースカロライナ州) 21日 ロイター] - 米大統領選を2週間後に控え、民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領は21日、浮動票の取り込みを目指し選挙活動を行った。

ハリス氏は複数の激戦州で元共和党下院議員のリズ・チェイニー氏と選挙集会に参加した。

ペンシルベニア州で開いた集会では、トランプ氏を民主主義に対する脅威だと批判し、同氏の元支持者でさえ不支持に転じていると強調。「トランプ氏は多くの点で不真面目な男だが、彼が米大統領になれば結果はひどく深刻だ」と述べた。その上で、共和党有権者に党の利益より国の利益を優先し、自身に投票するよう訴えた。

チェイニー氏はトランプ氏について「気まぐれで不安定で、再選されるべきでない」と述べた。

投票日が近づく中、ハリス氏はトランプ氏の大統領としての適性に対する批判を強め、資質を疑問視している。

チェイニー氏はミシガン州の集会で、投票先を決めかねている共和党員に向けて、民主党を支持することによる報復を恐れる必要はないと指摘。「多くの共和党員が『(支持を)公にできない』と言う。彼らは暴力などさまざまな心配をしているが、正しいことをするだろう」とし、「良心に従って投票し、誰にも言う必要はない」と述べた。

チェイニー氏は共和党ジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領を務めた父親のディック・チェイニー氏とともに筋金入りの保守派として知られ、親子でハリス氏支持を表明している。

一方、トランプ氏は激戦が見込まれるノースカロライナ州各地を回り、支持を訴えた。ハリケーンで甚大な被害を受けた山岳地帯も訪れ、困難に見舞われる中でも投票に行くよう呼びかけた。この地域は保守層が多いとされる。

トランプ氏は多くの国民が連邦政府に見捨てられたように感じていると述べ、バイデン政権の災害対応が遅いという根拠のない主張を繰り返した。

同州コンコードで行われたキリスト教福音派のイベントでは、7月13日にペンシルベニア州バトラーで起きた自身の暗殺未遂事件について、「超自然的な手によって地面に叩きつけられ」助かったと考えたいと語った。

最近の演説で使っていた下品な表現は避けた。人生を振り返り、「今の私がいるのは神の導きによるものだと認識している」と語った。

福音派指導者フランクリン・グラハム氏はトランプ氏が当選するよう祈りを捧げた。

世論調査で接戦が示される中、両候補は選挙戦を加速している。