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 テレビ朝日の三上大樹(みかみ・ひろき)アナウンサーが今月5日、病気のため死去したことが8日、分かった。38歳。神奈川県出身。

 同局は、スポニチの取材に「当社社員、三上大樹アナウンサーは10月5日に逝去されました。心よりお悔やみ申し上げます」と今月5日に亡くなったことを報告。死因については「病死ですが、詳細は控えさせて頂きます」と回答した。

 三上アナは早大時代に保健体育の中学、高校教員免許を取得。卒業後の2009年4月、テレビ朝日に入社した。入社後はスポーツアナウンサーとして活躍する一方で「ワイド!スクランブル」など情報番組を担当した。

 プロ野球のほか、BS朝日での高校野球中継などを担当。入社初年度からフィギュアスケートのグランプリシリーズを任されるなど、早くから実況の舞台で活躍した。

 主戦場はスポーツ全般と幅広かった。「ワールドプロレスリング」でのプロレス中継、22年北京五輪で、自身初の五輪実況。中国から日本勢の奮闘を届けた。

 今夏はパリ五輪で男子バスケットボールなどの実況中継を務め、帰国後すぐに甲子園の実況と大忙しだった。9月13日に報道ステーションのスポーツニュースのナレーションが最後に担当した番組となった。

 学生時代は高校球児だった三上アナ。14年夏の全国高校野球選手権では「熱闘甲子園」のキャスターを山本雪乃アナとともに担当。PRのため東京・越中島のスポニチ本社を訪れた際には、「最後の夏は初戦で散った。憧れの甲子園の夢が11年越しでかなったような気持ち。球児だったからこそ伝えられることを意識したい」と、自身の思い出も込めながら野球への愛を語っていた。

 同局公式サイトのプロフィルでは、アナウンサーになってよかったことについて「数々の歴史的、感動的瞬間の場に立ち会えたこと。家族、親戚、友人が、自分の働きぶりを楽しみにしてくれること。祖母はいまだに『ひろくんはいつ見ても男前だねぇ』と喜んでくれます」と答えていた。

 深い取材に裏打ちされた実況と、安定感のある語り口。同じくスポーツ実況を担当する清水俊輔アナと並ぶ同局2大実況エースと称され、スポーツファンの間で信頼が厚かった三上さん。38歳、あまりにも早すぎる訃報だった。