広島・矢野雅哉【写真:小池義弘】

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矢野雅哉は遊撃の守備指標「UZR」で12球団1位の「11.6」

 セ・リーグのレギュラーシーズンは6日に全日程が終了。昨年2位の広島は9月以降に急失速して4位に終わったが、台頭した選手は少なくない。その代表格が4年目の矢野雅哉内野手だろう。遊撃の定位置を手にし、驚異的な守備を見せた。守備の貢献度は遊撃手で12球団トップ。ファンは「GG賞ほぼ確定の逸材」「次元が異なる」と声を寄せている。

 25歳の矢野は育英高(兵庫)から亜大を経て、2020年ドラフト6位で広島に入団。1年目から昨年まで13→55→93と試合出場を増やしていた。4年目の今季は遊撃で119試合、二塁で8試合に先発出場。課題とされていた打撃もリーグ19位の打率.260(430打数112安打)をマークし、13盗塁はリーグ3位タイだった。

 出色だったのが遊撃の守備だ。守備率は.985でリーグ3位だが、セイバーメトリクスの観点からプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータによると、守備全般での貢献を示す指標「UZR」は遊撃手で断トツの11.6をマークした。昨年まで6年連続でパ・リーグのゴールデングラブ賞に輝いている西武・源田壮亮内野手が2位で8.3。矢野の守備がいかに秀でているか分かる。

 ファンも今季の躍動に喝采。SNSには「矢野がGG賞」「GG賞は確定」「マジですごすぎる」「来年も1軍でレギュラー」「守備だけでお金が取れる」とコメントが寄せられている。過去5年のセ・リーグ遊撃手のゴールデングラブ賞は、坂本勇人(巨人)が2021年まで3年連続、2022年は長岡秀樹(ヤクルト)、昨年は木浪聖也(阪神)が受賞している。今年は誰が選ばれるだろうか。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。