韓国の核武装関連イラスト。[写真 中央DB]

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中央日報と東アジア研究院(EAI)の共同企画世論調査の結果、一般国民の10人に7人は韓国が独自に核武装することに対して賛成していることが明らかになった。米国が提供する拡大抑止に対する信頼度は過去1年間で大きく落ちた反面、核武装に対する世論の声は一層高まっている格好だ。あわせて日本の核武装を賛成する世論も相対的に高まった。

韓国国民の10人に7人「核武装を」

今回の調査で、回答者の71.4%は「北朝鮮が核を放棄しない場合、韓国は核武装しなければならない」と回答した。以前からも核武装支持世論は半分以上あったが、傾向に変化が生じた。「核武装賛成」と回答した比率は、2022年69.6%だったが昨年韓米両国の北朝鮮に対する拡大抑止強化方案を盛り込んだ「ワシントン宣言」が出されて58.5%に低くなった。だが今年再び2年前の水準まで反騰した。

これは、この1年間で米国が提供する拡大抑止に対する不信が急増(26.2%→47.4%)したこととも一因となっている結果だと解釈することができるとEAIは指摘した。韓米がワシントン宣言以降、「核協議グループ(NCG)」の発足や「韓半島(朝鮮半島)核抑制核作戦指針」への署名など顕著な成果をあげたものの、世論はこれを十分に信じることができず、自らの核武装に徐々に傾斜している格好だ。

◇「日本も核武装すべき」2年間で4倍に

注目されるのは日本の核武装を支持する世論も共に高まる傾向にある点だ。「北朝鮮が核を放棄しない場合、日本は核武装するべき」と回答した比率は、2022年には9.1%にすぎなかったが、昨年17.2%まで高まった。今年は34.8%まで上昇した。2年間で4倍近く増加した。これは日本の軍事力強化を警戒する一般的な認識とはやや相反する結果として見ることができる。

国民大多数の認識が、北朝鮮の核・ミサイル脅威が徐々に高度化する中で→米大統領選挙の結果によって「核の傘」が弱まる場合もあることから→韓日が「同伴核武装」を通じて、自らの抑制力を強化しなければならないという結論に至るわけだ。今回の調査で、回答者の72%は「北朝鮮は核を放棄しないだろう」と悲観したが、その一方で82.9%が相変らず「北朝鮮非核化という目標を維持しなければならない」と答えたのもこのような脈絡と見ることができる。不安と不信の中でも非核化という目標は揺らぐことなく追求していかなくてはならないという認識が、結局韓日が手を携えて自己防衛しなくてはならないという判断につながったという解釈が可能だ。

ここには韓国と日本が同じような脅威に直面しているという現実認識が根底にあるとみられるが、同時に日本との安保協力の必要性に共感する国民が相当いるという傍証だと見ることができる。

◇「韓日安保協力」安定的支持

実際「北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応して韓日の安保協力が必要」という回答は昨年72%、今年70.8%と、70%台以上を維持した。安保協力の程度に関して、今年は回答者の35.6%が「情報共有が必要」、21.6%は「情報共有だけでなく、共同対応のための政策協議体を新設すべき」と回答した。回答者の5人に1人は、現在の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)以上の協力が必要だと考えている。

特に回答者の13.6%は「韓日両国の同盟を検討する必要がある」とも答えた。ただし、これに関しては回答者が韓日軍事同盟の現実性と波及効果を具体的に考えずに賛成と回答したのではないかという指摘もあわせて出ている。中央日報とEAIは今回の世論調査とは別に学者や前・現職官僚、ジャーナリストなど専門家102人を対象としたウェブ調査も実施したが、韓日間の同盟検討を支持するという回答は1.0%だけだった。

韓国と日本が核武装をする場合、支払うべき費用やこれによって到来しうる「北東アジア核ドミノ」の可能性も警戒しなければならないシナリオだ。核武装時には韓米同盟と米日同盟の毀損は避けられず、不拡散規範に反すると見なされてイランや北朝鮮が受けているものと同じ過酷な国際制裁の対象にもなりかねない。

専門家の調査でも韓国の核武装を支持するという回答は19.6%にとどまっている。核武装を通じて得る利益よりも損失が大きいと判断している格好だ。