Nintendo SwitchエミュレーターのRyujinxが、GitHubから削除されました。削除前、Ryujinxの開発者は任天堂からプロジェクトの中止を促す通知を受け取っていたことが明らかになっています。

Switch emulator Ryujinx shuts down development after “contact by Nintendo” | Ars Technica

https://arstechnica.com/gaming/2024/10/switch-emulator-ryujinx-shuts-down-development-after-contact-by-nintendo/

Nintendo has reportedly shut down Ryujinx, the Switch emulator that was supposedly immune - The Verge

https://www.theverge.com/2024/10/1/24259791/nintendo-ryujinx-switch-emulator-gdkchan-removed-downloads-github

Ryujinxはエンジニアのgdkchan氏が2017年9月から開発しているプロジェクトで、同じNintendo SwitchエミュレーターであるYuzuが任天堂からの提訴を受けて公開を停止してからも配布が続けられていました。

Nintendo SwitchのゲームがPCで遊べてしまうエミュレーター「Ryujinx」とは? - GIGAZINE



Ryujinx開発者のひとりであるriperiperi氏は2024年10月1日、Discordで「昨日gdkchan氏が任天堂から連絡を受けて、プロジェクトの作業を中止し、組織と彼が管理しているすべての関連資産を削除するという内容の合意案を提示されました。彼がそれに応じるかの確認を待っている間に、組織が削除されました」と報告しました。



記事作成時点でRyujinxのGitHubリポジトリにアクセスすると、エラーが表示されます。

また、Ryujinxの公式サイトは公開されたままですが、Ryujinxのダウンロードボタンや、GitHubでホストされていたデータへのリンクは機能していません。

公式サイトでは、2024年に入るまでほぼ毎月新着情報が投稿されていましたが、2024年1月を最後に更新が途絶えています。また、Ryujinxの公式X(旧Twitter)アカウントの投稿も、削除に関する告知を除けば2024年3月の投稿が最後でした。



Ryujinxは、前述のYuzuと比べて手出しされにくいプロジェクトだと考えられてきました。というのも、主任開発者であるgdkchan氏がエミュレーターに寛容なブラジルに拠点を置いているとのウワサがあったからです。その証拠はありませんが、ほかのエミュレーターのようにRyujinxのDiscordサーバーが閉鎖に追いやられたり、GitHubリポジトリが著作権違反で通報されたりした形跡はこれまでのところ見つかっていません。

IT系ニュースサイトのThe Vergeは「Ryujinxチームの公式Discordでは何人かのメンバーが別れを告げており、これが公式Ryujinxチームの終わりであることは間違いなさそうですが、完全な終わりとも限りません。gdkchan氏からはまだ音沙汰がなく、YuzuのようにRyujinxのフォークがGitHubやネット上で続けられるかもしれませんし、彼らのコードが将来別のエミュレーターの基礎になる可能性もあります」と述べました。

Yuzuのフォークは複数ありますが、代表的な後継プロジェクトであるsuyuはGitLabから削除された後も独自のセルフホストサーバーで公開が続けられています。ただし、最後の安定版のリリースは記事作成時点から6カ月前となっています。

Suyu Emulator - A familiar Nintendo Switch emulator

https://suyu.dev/