イスラエルの国旗

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イスラエル国防軍が30日夜(現地時間)、レバノンとの国境を封鎖して砲撃を加えるなど小規模な地上戦の手順に入ったという観測が出ている。

ロイター通信など外信によると、レバノンの武装組織ヒズボラは1日午前0時ごろ声明を出して「国境の村を通過するイスラエル国防軍をレバノン民兵隊が攻撃した」とし、国境地帯を横切るイスラエル国防軍の動きも捉えたと明らかにした。

前日夜、イスラエル国防軍は国境越えてレバノン南部に強力な砲撃を浴びせ、一部地域では大規模な戦車砲もあったと複数の外信が伝えた。CNNは軍事制限区域周辺に約100台のタンクと軍用車両が停められていると伝えた。レバノン国境地殻の渓谷では数回の爆音が響くなど砲撃に対する情況が確認されたという。米国NBC放送はイスラエル官僚の言葉を引用して「イスラエルがすでにレバノンで偵察作戦を開始した」とし、特殊部隊による地上作戦があったとも報じた。

攻撃に先立ち、イスラエル国防軍は声明を出してメトゥラ、ミスガブアム、クファール・ギラディなどレバノン国境に接した地域を軍事制限区域に宣言したと明らかにした。レバノンの首都ベイルート南側の村3カ所の住民たちを対象に避難するように警告もした。同日、レバノン軍がイスラエルとの国境付近の複数の地点から兵力を撤収した情況も確認された。ロイター通信は消息筋を引用して、レバノン軍が少なくとも5キロメートル後方に部隊を撤退させたと報じた。

この日の作戦はイスラエルのヨアブ・ガラント国防長官など安全保障内閣の「承認」手順を踏んで行われたと同国のメディア「Yネット」が伝えた。作戦の目標の一つは「ヒズボラのラドワン特殊作戦部隊がイスラエルを攻撃して北部境界地の村を威嚇するために使ってきたインフラを除去すること」とメディアは説明した。ヒズボラを無力化して除去することだけに焦点を置く方針だ。

AFP通信やタイムズ・オブ・イスラエル(TOI)など一部外信は「(レバノン)侵攻につながる具体的な最後の措置」とし、小規模に続く大規模地上戦手順を懸念した。

ただしイスラエル国防軍は地上戦突入をまだ公式に確認していない。イスラエル国防軍のダニエル・ハガリ首席報道官はX(旧ツイッター)を通じて「我々は軍活動が報道されないことを願う」とし「無責任なうわさを立てずに公式報告だけに集中してほしい」と呼びかけた。

イスラエルの小規模地上戦の動きが事実なら、今回の地上戦は2006年以降、18年ぶりとなる。イスラエル国防軍は2006年ヒズボラに拉致された兵士2人を救出するためにレバノンで全面戦争を行ったが、34日で交戦を終わらせた。