大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports

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 メジャー史上初の「50-50」(50本塁打、50盗塁)を達成した大谷翔平(30)のドジャースが、日本時間25日からナ・リーグ西地区3連覇をかけ、3ゲーム差と迫るライバルのパドレスと直接対決3連戦を行う。

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 古巣日本ハムの先輩であるダルビッシュ有(38)の登板はないものの、チーム防御率3.84(リーグ5位)、同被本塁打163(4位タイ)の強力投手陣を相手に、「53-55」からの上積みにも期待がかかる。

 大谷は「50-50」の偉業を成し遂げた20日のマーリンズ戦後、MLBネットワークのインタビューに「ここからチームとしても大事なので、首位でしっかり地区優勝できるというのが一番のポイントですし、僕にとっても一番大きなことであるので、そこを目指してやりたい」と断言。本塁打、盗塁ともキャリアハイをマークした個人記録のさらなる上積みよりも、チームの地区優勝を優先させるというわけだが、残り6試合は茨の道だ。

接戦の展開では意外にも苦戦

 ドジャースはデーブ・ロバーツ監督が就任した2016年以降の8年間で地区優勝は7回。そのうち5回は2位以下に10ゲーム以上の大差をつけてぶっちぎりで制覇。逆に接戦の展開では苦戦している。1ゲーム差で地区制覇した18年はロッキーズと熾烈な優勝争いを繰り広げ、9月17日に首位を奪い返しながら、下旬に2連敗してロ軍に並ばれた。地区優勝を決めるワンゲーム・プレーオフを制して6連覇(当時)を果たしたが、どちらに転んでもおかしくはない展開だった。

 9年ぶりに地区優勝を逃した21年は宿敵ジャイアンツと最後まで接戦を演じたが、ジ軍との直接対決で9勝10敗と1つの負け越しが響いたこともあり、1ゲーム差で及ばなかった。

 投打とも他球団がうらやむほどの豊富な戦力を擁し、レギュラーシーズンを圧勝することに慣れてきたドジャースは、意外にも競り合いになると苦戦しているのだ。先発、中継ぎとも故障者が続出するドジャースとは対照的に、パドレスは投手陣が安定している上に、直近7日間のチーム打率もリーグ4位の.271で、ドジャースの.288(同2位)にそれほど劣らない。投打の歯車が噛み合い、9月はここまで13勝5敗と勢いに乗っている。今季の対戦成績も3勝7敗と分が悪いのも懸念材料といえる。

 28日からは投手陣が崩壊状態のロッキーズと3連戦が控えている。今季の対戦成績は7勝3敗と勝ち越しており、大谷は本塁打、盗塁とも上積みは十分可能だろう。が、偉業達成と引き換えに、この6戦次第で、熱望してきた地区優勝はお預けになりかねない。

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 最高のシーズンを送る大谷にポストシーズンへの懸念点がある。それらはイチローやカブレラ、ジャッジなどレジェンドたちも苦しめられたという。いったいどういうことか。大谷の「敵」とは。

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