あの名画・アートに猫が入り込んだ!?超絶かわいい「ねこ刺繍」に注目!

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どこかで見覚えのあるこの絵。でも何かが違う……!


そうです。刺繍のねこがアートに入り込んでしまっているんです。
貝の舟に揺られるねこが、今にも上陸しようとしています。さて、この作品の元になった絵、わかりますか?


はい。皆さんもよくご存じ。
ルネッサンスを代表するイタリアの巨匠サンドロ・ボッティチェリが1485年に描いた「ヴィーナスの誕生」(ウフィツィ美術館蔵)です。タイトルは「誕生」ですが、海で生まれた直後ではなく、キプロス島に上陸したときの様子が描かれているんですけどね。

ではこの絵は?


かわいらしい猫が木馬に揺られています。


はい。これも教科書でみかけませんでしたか? 
ジャック=ルイ・ダヴィッドが1802年に描いた「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」(マルメゾン城蔵)です。相当イケメンに描かれていると有名な絵だったりします。

では今度はちょっと趣向を変えてみましょう。

この作品は一見、イギリスのヴィクトリア時代、暮らしに手仕事の美を取り込む「アーツ・アンド・クラフツ運動を提唱したデザイナーであり思想家のウィリアム・モリスの代表作のひとつ「いちご泥棒」のようですが……!?

じゃ〜ん!! 
ここにも猫が潜んでいること、お気づきいただけましたでしょうか。猫の体にはモリスの庭のイチゴをついばんでしまったツグミかムクドリのモチーフがしっかり再現されていますよ〜。

ほかにも、日本や海外のアートがたっぷり。目を凝らしてじっくり眺めながら、原作のアートをおさらいしてみませんか?


この作品を作ったのは……



MINAMI


刺繍作家。福島県出身。2021年から大好きな猫とアートを融合させた刺繍作品づくりをスタート。絵画が絵の具を重ねるように、糸を重ねることで色彩や筆致を細部まで表現することにこだわり、cat_embroidery_museumの名前でインスタグラムに投稿。作品の愛らしさと精緻さがフォロワーに人気を博しています。
インスタグラム@cat_embroidery_museum

アートの解説は……



アートテラー・とに〜


元吉本興業のお笑い芸人。千葉県出身。2008年より「アートテラー」として美術解説、アートイベントなどの活動を本格化。美術の知識や画家の背景に及ぶ幅広い知識を芸人時代に培ったトークの技術でわかりやすく面白く伝えます。
Ameba blogアートテラー・とに〜の【ここにしかない美術室】


(『ねこの名画案内』より抜粋・一部改変)