「冷凍トマトみそ汁」に「万能トマトソース」… 飛田和緒の「材料これだけ」絶品トマト料理

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3人家族から「ほぼ一人暮らし」になった料理家・飛田和緒さんの食材を無駄なく、おいしく使いきる「始末の料理」連載の後編。

スーパーなどに並ぶトマトは青いときに収穫され、店頭に並ぶころに追熟して赤くなります。真っ赤に熟した食べごろのトマトは値下げされることも多く、野菜高騰が続く今、お財布にもうれしいものです。

ヘタが乾いていたり、黒ずんだりせずにヘタのまわりに傷みがないか確認してから買ってくださいね。

前編「飛田和緒が伝授、完熟トマトを箱買いしても絶対美味しく使い切る「超簡単」な技」では、見つけたら即買いしたくなる、完熟トマトの使い方、食べ方、保存の仕方を教えていただきました。後編では詳しいレシピを紹介します。

材料2つで出来る絶品炒め物

トマトと卵だけの炒めもの

「材料はトマトと卵だけ。熟れ熟れのトマトだからおいしい、黄金の組み合わせです。 皮つきでもいいのですが、トマトを湯むきすると食感が変わってまるで別物のおいしさに。皮をむいたことで味が入りやすく、トマトのやわらかさに半熟の卵がほどよくからみます。

今回は炒めましたが、スープにしてもいいですよ」(飛田さん)

●材料(2人分)

トマト 2個

卵 3個

塩 ふたつまみ

粗びき黒こしょう 少々

米油(揚げ物などに使ったものでもよい) 大さじ2

●作り方

1トマトは一口大の乱切りにする。卵はよく溶きほぐし、塩一つまみを混ぜる。

2フライパンに米油を熱し、溶き卵を流し入れて大きく混ぜて炒め、半熟状になったら取り出す。

3フライパンにトマトを入れ、残りの塩をふって炒める。トマトの角が少し崩れるくらいになったら、2の炒り卵を戻して一混ぜする。器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。

冷凍をそのまま入れてみそ汁の具に

冷凍トマトのみそ汁

「だし汁に放り込んでさっとでき上がるので、忙しいときに本当に助かるみそ汁」と飛田さん。トマトのうまみがだしのうまみと合わさって病みつきになるおいしさです。

洋風のスープにするならベーコンを刻んでオリーブオイルで炒め、水と冷凍ミニトマトを加えて煮ます。味はシンプルに塩、こしょうで。

●材料(2人分)と作り方

鍋にだし汁1と1/2カップを入れて温め、凍ったままのミニトマト6〜10個(好みでOK)を入れて煮る。皮がはじけてきたら皮を箸やトングでつまんで除く。トマトが大きい時は、キッチンバサミで食べやすく切ったり、おたまでつぶしたり。仕上げにみそ大さじ1を溶き入れる。

トマトと塩を煮詰めるだけ

トマトと塩だけの万能トマトソース

トマトをコトコトと煮詰めてうまみと甘みを凝縮するので、コンソメのように「うまみの素」として料理に使えます。たくさん作ったほうが効率的ですが、2〜3個なら短時間で作れます。

●材料作りやすい分

トマト 適量

塩 適量

●作り方

1トマトはヘタをくりぬいてざく切りにし、ホーローやステンレス製の鍋に入れて火にかける。フツフツとしてきたらふたをして、弱火の中火でトマトから十分に水気が出るまで15分ほど煮る。

2ふたをはずし、強めの中火にして、ときどき混ぜながら元の半量ほどになるまで煮詰める。やや薄めの味になるように塩で味をととのえる。

3冷まして清潔な瓶に入れて冷蔵で保存する。長期間保存する場合は、ジッパー付保存袋に入れて冷凍庫へ。冷蔵で1週間、冷凍で1か月保存可能。

万能トマトソースを使って

トマトソースだけのシンプルスパゲティ

トマトソースのおいしさを堪能するならトマトソースだけのスパゲッティがおすすめです。凝縮した甘みと酸味がスパゲッティにからんで、トマトのうまみに感動です。

●材料(2人分)

トマトソース お玉2杯分くらい

スパゲッティ(1.9mm) 160g

にんにく(輪切り) 1かけ分

塩 大さじ1と1/2

オリーブオイル 大さじ2

●作り方

1鍋に湯2ℓを沸かし、塩を加えてスパゲッティをゆでる。

2フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、こんがりとするまでじっくり炒める。火を止めてトマトソースを加えて混ぜる。

32を再び火にかけ、ゆで上がったスパゲッティの湯をきって加え、味見をして塩で味をととのえる。手早くあえて器に盛る。

飛田さんのインスタグラムには、ほかにもトマトソースを使った食べ方がいろいろ紹介されています。

どの野菜にも言えることですが、トマトも枝で完熟したものは味がよく、栄養価も高い。そうとわかっていても完熟ものは皮がやわらかくて傷みやすいため、流通に乗りにくく、残念ながらスーパーなどで買い求めることは難しいのです。

近くに畑や野菜の直売所があれば、枝で完熟したものが並ぶこともあります。旅に出かけたときに、道の駅の野菜直売所をのぞいてみてください。完熟トマトが手に入ったら、何を作りますか。

真っ赤な色、甘みと酸味で食欲を刺激する熟れ熟れトマトで、これからの暑さを乗りきりましょう。

取材・文:相沢ひろみ

トマトは「見切り品」が食べごろ。飛田和緒が伝授、完熟トマトを美味しく使い切る「超簡単」な技