「尿路結石」の症状・原因について詳しく解説!

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尿酸値を下げる方法とは?Medical DOC監修医が痛風や高尿酸血症対策と尿酸値が高い人に効果的な食べ物・飲み物など対処法を解説します。

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監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

尿酸値が高い原因と下げる方法

尿酸値が高い原因は遺伝や環境といった要因が影響します。食生活や飲酒量や運動習慣などの環境因子を変えることで尿酸値の低下が期待できます。

尿酸値が高い原因

尿酸値とは血液中の尿酸の値で、血液検査で調べることができます。
尿酸とはプリン体というエネルギーの原料となる物質が体内で代謝され残ったものです。
尿酸値が高い原因として、体内で尿酸を多く作りすぎてしまう・尿酸を体の外に出す力が弱い・それらの混合型に分けられます。尿酸を作る力と出す力のバランスが崩れ、血中にたくさんある状態となり、血液検査で尿酸値が7.0mg/dL以上となった時に高尿酸血症と診断します。
食事・飲酒・水分補給・運動習慣などの生活習慣や肥満や高血圧・脂質異常症・糖尿病
などの生活習慣病が尿酸産生や排泄に強く影響します。

尿酸値を下げる食事方法

尿酸値を下げる効果的な食事方法として、摂りすぎに注意したいもの、積極的に摂りたいものを解説いたします。
注意したいものは、プリン体の摂取量です。1日400mg未満になるようにしましょう。プリン体は肉類やレバーなどの内臓や白子などに多く含まれています。一部の健康食品やサプリメントもプリン体を多く含むものがあります。

<プリン体が多い食べ物ランキング(100gあたり)>

極めて多い(300mg以上)

鶏レバー、干物(マイワシ)、白子(いさき、ふぐ、たら)、太刀魚、健康食品(DNA/RNA、ビール酵母、クロレラ、スピルリナ、ローヤルゼリー)など

多い(200~300mg)

豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、干物(マアジ、サンマ)など

中程度(100~200mg)

肉(豚・牛・鶏)類の多くの部位や魚類など、ほうれん草(芽)、ブロッコリースプラウト

少ない(50~100mg)

肉類の一部(豚・牛・鶏)、魚類の一部、加工肉類など、ほうれん草(葉)、カリフラワー、ピーマン、なす

きわめて少ない(~50mg)

野菜類全般、米などの穀類、卵(鶏、うずら)、乳製品、豆類、きのこ類、豆腐、加工食品など

また、内臓脂肪の蓄積は尿酸値を上げる原因となるため、肥満(BMI25以上)があればカロリーの制限をし、肥満を解消しましょう。
アルコールは尿酸の増加と排泄低下に関わるため、摂取量は1日に日本酒なら1合、ビールなら350~500ml(メーカーによりプリン体の含有量が異なります。)、ウィスキーなら
60mlが目安です。また休肝日を週2日以上作るとよいでしょう。アルコールの中でも特にビールはプリン体も多く含むので、尿酸をより増加させやすいです。
果糖も尿酸値を上げやすいです。果糖というと果物を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、果物を摂りすぎて尿酸値が上がるとはいわれていません。気を付けたいのはジュース・スポーツドリンク・果汁ジュース類や氷菓などに含まれている果糖です。尿酸値を上昇させる・カロリーオーバーにもつながるので控えた方がよいでしょう。

尿酸値を下げる食材

尿酸値を下げるのに効果がある食材は、DASH食や地中海食のように果物、ナッツ、低脂肪乳製品、全粒粉類を多く、肉類、甘味、菓子類の摂取を少なくすると尿酸値を下げる効果が期待できます。また野菜、海藻、きのこ類は尿をアルカリ化にして尿酸が溶けやすく排出されやすくなること、食物繊維も豊富に含んでいます。尿酸を下げるのに積極的に摂りたい食材ですので、野菜、海藻、きのこ類を使ったレシピを毎食取り入れることがおすすめです。
乳製品も尿酸値を下げるといわれています。乳製品に含まれるカゼインやアミノ酸という物質が尿酸を排出する作用があります。牛乳やヨーグルトについて尿酸値を下げるといわれています。一部の乳酸菌で尿酸を下げる効果を報告されているものもありますが、乳製品乳酸菌飲料が尿酸値を下げる効果については、はっきりとしていません。果糖も含まれるため、摂りすぎに注意をしましょう。

尿酸値を下げる飲み物

尿酸値を下げるには、尿量が1日2000ml以上になるように、水・お茶などカロリーのない飲み物を十分に摂りましょう。またコーヒーに含まれるポリフェノール物質は尿酸値を下げる効果があるといわれています。ただし、コーヒーや紅茶、緑茶にはシュウ酸が多く含まれるため、尿路結石の原因となる可能性があります。
心臓病や腎臓病があり医師から水分制限がある場合は医師の指示に従いましょう。
尿酸値を下げる食べ物として乳製品をあげましたが、牛乳を水分補給として大量に摂取してしまうとカロリーの摂りすぎになりかねないため、牛乳なら1日コップ1杯程度が適量です。

尿酸値を下げる生活習慣

ウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動が尿酸値を下げるのにおすすめです。一方、筋トレなど高強度の運動は乳酸の産生増加に伴い尿酸が高くなりやすいので注意をしてください。また、脱水になると尿酸が尿中へ排泄されづらくなるため、十分な水分補給が大切です。サウナなど高温で汗をかくような時もこまめに水分補給をして脱水にならないよう注意しましょう。
ストレスも尿酸が高くなる原因の一つといわれていますので、ストレスを上手に解消し、リラックスして過ごすことがおすすめです。

尿酸値を下げる薬

尿酸値を下げる薬は主に2種類あります。尿酸生成抑止薬(フェブリク®︎・ザイロリック®︎・トピロリック®︎など)と尿酸排泄促進薬(ユリノーム®︎・ベネシッド®︎など)です。尿酸生成抑制薬は尿酸産生過剰型、尿路結石や腎機能障害の合併がある場合に使用されます。肝臓での尿酸合成量を低下させて尿酸値を低下させる作用があります。発疹、胃腸障害、肝障害などが副作用で起こることがありますので注意が必要です。尿酸排泄促進薬は尿酸排泄低下型に使用されます。尿酸の再吸収を抑制し排泄量を増加させる作用があります。胃腸障害、皮膚過敏症、肝障害などが副作用で起こることがありますので注意しましょう。
尿酸値を下げるための市販薬は販売されていません。病院を受診しましょう。
薬をのみはじめたらいつまでのまなければいけないのだろう?と疑問を抱かれる方は多いと思います。尿酸値だけではなく他の生活習慣病などにも共通していますが、薬をやめると再び数値は上がってしまうことが多いです。生活習慣を変えたり、肥満を解消することで、薬の減量や薬が不要になる場合もあります。自己判断で中止しないようにしましょう。

尿酸値が高い人がかかりやすい病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、尿酸値が高い人が考えられる病気・疾患を紹介します。

高尿酸血症

高尿酸血症とは、尿酸値が7.0mg/dL以上の状態です。日本人の男性で20%女性で5%と報告されています。患者数は年々増加し、現在も増加傾向です。また、高血圧、肥満、脂質異常症や血糖値が高いといった生活習慣病を合併している方も多くみられます。腎機能が低下してくると尿酸値が排泄されづらくなり、高値になりがちです。
発症の原因は前述した通り、遺伝因子と環境因子が強く影響します。
食生活など生活習慣の改善により、尿酸値の低下が期待されます。生活習慣病や虚血性心疾患などの合併がある場合は薬物療法も考慮します。
健康診断などで尿酸値が高ければ、一般内科の受診をしましょう。

高血圧

診察室での血圧が収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上が高血圧の診断基準です。高血圧を放置すると動脈硬化が進み、脳血管障害や心血管障害などの発症リスクが高まります。原因は遺伝的・環境的な素因の両方が関与している本態性高血圧と腎臓病やホルモンの過剰分泌などによる二次性高血圧に分けられます。
治療法は塩分の制限(1日6g未満)・肥満の解消(BMI25未満)・禁煙・節酒(ビールであれば500ml以下程度)・運動療法など生活習慣の改善と必要に応じて行う薬物療法です。
健康診断で高血圧を指摘されたり、家庭での安静時の血圧が135/85mmHg以上が続くようでしたら循環器内科の受診をおすすめします。

狭心症

狭心症とは心筋への血液の供給不足で起こるもので、心筋梗塞の前段階の状態です。症状は胸の痛みや圧迫感などです。生活習慣病や喫煙などによって動脈硬化が進み血管内が狭窄し、十分な血液を心臓に送れなくなることで発症します。
治療法は生活習慣病の改善、薬物療法、手術などです。食事療法は血圧・脂質・体重・糖尿病の管理がポイントになります。
胸の痛みや圧迫感などの症状があれば速やかに循環器科を受診しましょう。

心筋梗塞

心筋梗塞とは狭心症と同様に心筋への血液の供給不足で起こるもので、一定以上血流が途絶え心筋が壊死を起こした状態です。症状は10分以上継続する激しい胸痛があり、安静にしても治りません。原因は狭心症と同様に動脈硬化が進み、血管内が完全に閉塞され血流が遮断され心筋が壊死を起こすためです。
治療法は薬を使って血栓を溶かす、バルーンで狭窄部分を拡張する方法や、外科的手術を行います。
食事療法では狭心症と同様に血圧・脂質・体重・糖尿病の管理です。
激しい胸痛が続く場合は救急要請をしましょう。

痛風

痛風とは以前から高尿酸血症があり、突然足の親指などに激痛、発赤、腫脹などを伴う急性関節炎です。高尿酸血症の期間が長く、数値が高いほど生じやすいといわれています。痛風発作は過食や過飲、脱水で発症しやすくなります。
高尿酸血症と同様の生活改善を行いましょう。痛風関節炎や痛風結節がある場合は、薬物治療を検討します。尿酸値は痛風関節炎の再発予防を目的として、6.0mg/dL以下を目標とします。高尿酸血症と異なり、禁酒期間が必要です。痛風関節炎が持続している間は禁酒しましょう。痛みがでて痛風発作の疑いがある場合は整形外科や内科を受診しましょう。

「尿酸値を下げる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿酸値を下げる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

尿酸値が高い状態を放置すると痛風を発症するリスクがありますか?

伊藤 陽子(医師)

尿酸値が高い状態を放置しても、全員に痛風発作が起こるわけではありません。遺伝や環境といった要因が関わっていますが、尿酸値が高い期間が長く、数値が高いほど痛風結節ができやすいといわれています。また、多量の飲酒や脱水など急激な尿酸の上昇により痛風発作が起こりやすいため、注意しましょう。

健康診断で尿酸値が7以上だと高尿酸血症なのでしょうか?

伊藤 陽子(医師)

高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインでは「性別・年齢を問わず、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるもの」を高尿酸血症と定義しています。尿酸値が基準を超えた場合には、まずアルコール量や食事から気をつけましょう。

尿酸値を下げるツボはありますか?

伊藤 陽子(医師)

手足や耳のツボを刺激して尿酸値が下がるといった情報を聞いたことがあるかもしれません。科学的にまだ解明されていないことも多いため、治療として選択することはおすすめできません。

尿酸値を下げるのに効果のある漢方薬はありますか?

伊藤 陽子(医師)

漢方薬とは体の自然治癒力を高めたり、体の中のバランスが崩れている状態を整える効能があるといわれています。西洋薬とは異なり尿酸値のみを下げるというよりは、体全体のバランスを整え、体質が改善された結果、尿酸値が下がることがあるかもしれません。また、痛風発作を起こした際に痛みや腫れなどを軽減する効果は期待できます。漢方薬は市販されているものもありますが、ご自身で判断せず、専門医に相談することをおすすめします。

まとめ 尿酸値を下げるには適量の飲酒と食事!

尿酸値を下げるための食べ物や飲み物をご紹介しましたが、特定のものを摂れば下がるというわけではありません。カロリーオーバーにならないように色々な食材をバランスよく食べる、飲酒量を適量にする、十分な水分補給をする、適度な運動、ストレスをためこまないようにするなどが尿酸値を下げるポイントになります。
尿酸値が高いと他の生活習慣病を合併している場合も少なくないため、健康診断などで指摘されたら病院の受診をおすすめします。

「尿酸値」の異常で考えられる病気

「尿酸値」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

痛風

内分泌内科の病気

メタボリックシンドローム

腎臓内科の病気

腎臓病

泌尿器科の病気

尿路結石

尿酸値が高くても、自覚症状のない無症候性が多いです。放置すると合併症のリスクが高まるため、病院の受診をおすすめします。高値が持続することで、腎臓病に進展することもあります。まず内科を受診しましょう。

参考文献

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版

[日本生活習慣病予防協会]生活習慣病の調査・統計

[公益財団法人 痛風・尿酸財団]痛風とはどんな病気?