“げっぷが多い”のは「胃がん」が原因!? どんな病気が隠れているのか医師が解説!

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「げっぷが止まらない、けれど病院に行くほど?」と悩む人も多いと思います。じつは、思わぬ病気が隠れている可能性があることをご存じですか?今回は、げっぷの原因について「おつじ内科クリニック」の尾辻先生に解説していただきました。

※この記事はMedical DOCにて【【医師に聞く】ゲップが多い・止まらないのは病気の前兆? または初期症状?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

≫【医師に聞く】ゲップが多い・止まらないのは病気の前兆? または初期症状?

監修医師:
尾辻 健太郎(おつじ内科クリニック)

2001年に岐阜大学医学部医学科を卒業後、岐阜大学医学部附属病院、岐阜市民病院、市立長浜病院、JA岐阜厚生連中濃厚生病院などを経て、2020年、岐阜県関市におつじ内科クリニックをオープン、院長となる。一人ひとりの患者さんの症状、訴えに合わせ、よりよい治療、より良い選択を全力で考えた上での医療提供を基本方針としている。

編集部

げっぷが多くても、病院にいく必要はないですか?

尾辻先生

げっぷが多いことで病院へ受診する必要があるかどうかの判断は、難しいところです。一概に何回以上は病気のリスクが高いなどのデータがあるわけではありません。病院への受診をお勧めする場合は、大きく分けて2つ考えられるかと思います。まず1つ目は、げっぷの回数が多いことで日常生活が妨げられていたり、困っていたりする場合です。例えば、会話中や食事中にげっぷが出てしまうなど、仕事や学業に支障が出ているのであれば、一度病院を受診して、原因や生活習慣の問題点がないかを相談されると良いと思います。もう1つは、もともとげっぷが出ることがあまりなかったにも関わらず、急にげっぷが増えてきた場合やみぞおち・お腹の不快感、食欲の低下を伴うときです。この場合は何らかの病気によって、げっぷが出ている可能性もあり、病院を受診することをお勧めします。

編集部

病気が隠れているケースもあるのですか?

尾辻先生

問題のない場合がほとんどですが、いくつかの病気の「症状」として現れていることがあり、注意も必要です。げっぷが出る病気で最も頻度が多いものとしては、胃酸が食道へ逆流してしまう「逆流性食道炎」があります。みぞおちの痛み・胸やけなどとともに、げっぷの症状が現れている場合、逆流性食道炎が疑われます。この場合、制酸剤などを適切に用いることで、症状の改善が得られることが多いですね。また、胃酸が過剰に出てしまい胃壁が傷ついてしまう「胃潰瘍」や「胃がん」の場合、胃から腸へ食べ物が通っていく経路が狭くなってしまい、流れが悪くなります。それによって胃の中に空気が溜まりやすくなり、げっぷが出やすくなります。これらの病気の場合、適切な治療を行わないとげっぷが改善しないばかりか、知らない間に病気が進行してしまうおそれもあります。やはり、先程のような「もともとはげっぷがあまり出なかったのに最近回数が増えてきた」「みぞおちやお腹の不快感もあり食べられる量が減ってきた」といった症状を伴いますので、このような場合は一度内視鏡検査を受けられることをお勧めします。

編集部

あらためて、げっぷとどのように向き合えばいいのでしょうか?

尾辻先生

げっぷは人間の生理的な現象で、必ずしも病気と直結しているわけではありませんので、過剰に心配する必要はないと思います。しかし、病気の症状としてげっぷが出ている場合もありますので、日常生活で困っている場合や、急にげっぷの回数が増えてきた場合など、何かいつもと違うと感じる場合には、病院で相談してほしいですね。また、すべての病気に言えることですが、ストレスを減らし、規則正しい生活リズム、バランスのよい食生活を送ること、そして定期的な健康診断の受診も重要だと思います。