「鶏むね肉」はタンパク質だけじゃない! じつは“ビタミン”も豊富なことをご存じですか?

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タンパク質が多く含まれていることで有名な「鶏むね肉」。じつは、ビタミンも豊富なことはご存じですか? 鶏むね肉に含まれるビタミンが、体にどのような影響を及ぼすのかについて「管理栄養士」の石本さんに解説していただきました。

※この記事はMedical DOCにて【「鶏むね肉が体に良い理由」を管理栄養士が解説 どんな健康効果があるのか】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

≫「鶏むね肉が体に良い理由」を管理栄養士が解説 どんな健康効果があるのか

監修管理栄養士:
石本 めぐみ(管理栄養士)

国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。

編集部

鶏むね肉にはビタミンも多く含まれるのですか?

石本さん

鶏むね肉はタンパク質以外に、ビタミンB群やビタミンKも豊富です。ビタミンB6が特に多く、同じビタミンB群であるナイアシンやパントテン酸も含まれています。

編集部

ビタミンB群は体にどのように働きますか?

石本さん

ビタミンB6は、食べ物から体に取り込んだたんぱく質の分解に働く栄養素です。細かく分解されたたんぱく質は皮膚や髪、筋肉、内臓といった体の組織、酵素、免疫細胞などの原料になります。血液に含まれる赤血球の成分の合成や、女性ホルモンのバランス調整も、ビタミンB6の役割です。ビタミンB6は、赤血球不足が原因となる貧血や、ホルモンバランスの乱れから起こる月経前症候群(PMS)に悩む女性の味方になるでしょう。ビタミンB群に含まれるナイアシンやパントテン酸は、エネルギーの合成や燃焼に欠かせない栄養素です。

編集部

ビタミンKは体にどのように働きますか?

石本さん

ビタミンKは、骨や歯の形成に関わる栄養素です。骨や歯はカルシウムから作られますが、ビタミンKはカルシウムを骨や歯に沈着させる作用に働くため、骨がもろくなる骨粗しょう症の治療薬にも使われています。また、ケガで出血したときに血が止まるのも、血液凝固作用を持つビタミンKの働きです。

編集部

ビタミンB群やビタミンKが不足すると、体にどのような影響があるのでしょうか?

石本さん

ビタミンB群が不足すると皮膚炎や口内炎、貧血などが引き起こされる可能性があります。ビタミンB群は栄養素をエネルギーへ変換する働きに関わるため、エネルギーが不足して疲れやすくなったり、食欲が低下したりする可能性もあるでしょう。通常の食生活を送っていればビタミンKが不足することはまずありませんが、出血しやすくなったり、止血までに時間がかかったりすることが考えられます。