メルカリの多くの取引は安全に行われていますが、残念ながらトラブルも起きています。新しい手口も出てきていて、「返品トラブル」もそのうちの1つです。どのようなトラブルなのか、この記事で解説していきます。

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メルカリの多くの取引は安全に行われていますが、残念ながらトラブルも起きています。新しい手口も出てきていて、「返品トラブル」もそのうちの1つです。どんな手口なのか、トラブルにあわないためにどうすればよいのかを「All About」フリマアプリ・ネットオークションガイドの川崎さちえが解説していきます。

「返品トラブル」の具体例

メルカリなどのフリマアプリで起きている「返品トラブル」は、主にブランド品が多いです。例えば、以下のような流れでトラブルが発生することがあります。

(1)出品者が商品(本物)を出品
(2)購入者が商品(本物)を購入
(3)出品者が商品(本物)を発送し、購入者の元に到着
(4)購入者から商品(本物)に対してクレームがあり、返品の要求がある
(5)出品者が返品に応じる
(6)出品者の元に届いた商品(偽物)が本物ではなくなっている

上記の例は、出品者が間違いなく本物の商品を出品していたとしても、返品された時点で偽物にすり替えられてしまうということです。購入者はこれを狙って高級ブランド品を買い、クレームを言って返品と返金をお願いしていきます。商品になんらかの不備があれば出品者も返品に応じることになりますから、いってみれば出品者の良心につけこんだトラブルといえるでしょう。

返品に応じないのはルール違反

それならば「出品者が返品に応じなければよいのではないか」と思うのですが、メルカリではクレームや返品に応じないのはルール違反です。実は商品説明に、「偽物とのすり替え防止のために返品には応じません」と書いている出品者もいますが、本来はNG行為になってしまうのです。

では、出品者が何もできないのかというと、そういうわけではありません。

商品の写真を撮影しておこう

ブランド品などを出品したら、発送前に写真を撮影しておくと、返品された商品との違いが分かります。

例えば、シリアルナンバーや金具、傷などチェックポイントを撮影します。もし届いた商品と違う場合は、購入者に示すことができますし、メルカリ事務局への連絡の時にも使用できます。

偽物に気づかず再出品してしまうことも問題

返品トラブルは、出品者にも大きな損害が出てしまいます。それだけでなく、出品者が偽物と気づかずに再出品してしまうと、偽物を購入してしまうユーザーが出てきてしまいます。出品者に落ち度がないとはいえ、偽物が流通してしまうのは社会的な問題といえるでしょう。そのような問題を防ぐためにも、返品された商品のチェックは重要になってきます。

このようなトラブルが自分の身に起きる可能性はゼロではありませんから、普段から注意していきましょう。

この記事の筆者:川崎 さちえ
ネットオークション歴19年、フリマアプリ歴9年。NHK『あさイチ』をはじめとした多数の情報番組に出演し、経験に基づいた実践型のフリマアプリやオークションの魅力を伝えている。
(文:川崎 さちえ)