仏パリ南郊の廃ビルから退去させられた移民(2024年4月17日撮影)。(c)Emmanuel Dunand / AFP

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【AFP=時事】パリ五輪開幕まで100日となった17日、フランス当局はパリ南郊ビトリシュルセーヌ(Vitry-sur-Seine)で廃ビルを不法占拠していた移民数百人を退去させ、国内の他の地域へ向かうバスに乗るよう促した。

 人道支援団体は、当局が7月26日〜8月11日に開催されるパリ五輪に際し、首都美化の一環としてホームレスの人々を排除しようとしていると非難している。

 ビトリシュルセーヌの廃ビルには、最も多い時には450人の移民が寝起きしていた。彼らを支援しに訪れていたNGOによると、大半は在留資格を持ち、公営住宅への入居を待っている状態だったため、当局が今週立ち退きを発表しても自主的に出て行ったのは一部にとどまった。

 残る300人ほどは17日朝、暴徒鎮圧用装備の警官隊に監視される中、かばんや台車に所有物を詰め込み、不安そうな面持ちで静かにビルを出た。クリアファイルに入った必要書類を手に一人ずつ、入国管理局職員が座るテーブルに近づき、つたないフランス語や英語で自身が置かれた状況を説明していた。大半は若い男性だったが、子ども連れの女性も数人いた。

 ビルの外には中部オルレアン(Orleans)や南西部ボルドー(Bordeaux)に向かうバスが待機していたが、移民の多くはパリ首都圏を離れたくないと語った。

 スーダン出身のアバカールさん(29)は物流業界でキャリアを積むためにパリに来たと言い、スーパーマーケットへの就職を約束されていると述べた。

 移民やホームレスの支援団体は当局の狙いについて、五輪のための観光客がやって来る前に、パリとその近郊からホームレスを排除することだと非難している。

 人道支援団体「世界の医療団(Medecins du Monde)」のポール・アラウジー(Paul Alauzy)氏は「パリ近郊の保護施設には空きがあるにもかかわらず、首都から遠ざけたがっているのは明らかだ。特に五輪の前だからだ」と指摘した。

 パリからの移民の移送をめぐっては、地方部や小さな町の首長の一部が反発を強めている。

【翻訳編集】AFPBB News

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