原油先物は下落、需要懸念が中東の供給不安を相殺

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Yuka Obayashi

[東京 17日 ロイター] - アジア時間の原油先物は下落。中国経済指標や早期の米利下げ観測後退を受けて世界的な需要を巡る懸念が高まり、中東情勢の緊迫化による供給不安を相殺した。

0042GMT(日本時間午前9時42分)時点で、北海ブレント先物6月限は0.07ドル(0.1%)安の1バレル=89.16ドル、米WTI先物5月限は0.1ドル(0.1%)安の85.26ドル。

日産証券傘下NSトレーディングの菊川弘之社長は、米国の利下げが遅れるとの見方や予想を下回る中国経済指標を受け、需要懸念が高まったと指摘。

先週まで中東情勢の緊迫化を背景に供給懸念で相場が上昇していたため、比較的抑制されたイランの攻撃は原油を買い進める材料になっていないと述べた。

その上で、新たな展開がなければWTIは83─88ドル前後で推移すると予想した。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は16日、インフレの2%回帰に向けた「一段の進展の欠如」を踏まえ、FRBは予想されていたよりも長期間、高水準の金利を維持することが必要となる可能性があるという見解を示した。

中国の第1・四半期国内総生産(GDP)は市場予想を上回ったが、鉱工業生産や小売売上高など一連の3月指標は内需低迷が全体的な経済成長を妨げていることを示した。