「大谷翔平のマンダラチャート」が再注目...コツコツ苦手な三日坊主もやり切れば見違える"大谷少年メソッド"
※本稿は、ぞう先生『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。
■「三日坊主は、遺伝、性格、やる気とははまったく関係ない」
「うちの子、どうすれば成績が上がりますか」
「うちの子、どうすれば運動ができるようになりますか」
「うちの子、どうすれば自分から積極的に行動するようになりますか」
突然ですがこういった悩み、ありませんか?
これは実際に僕の元に寄せられたお母さん、お父さんの声です。
僕自身、3人の子どもの父親なので、この気持ちはとてもよくわかります。子どもにはできれば成績を上げてほしいし、運動もできるようになってほしい、さらに自分から積極的に何でもチャレンジする子に育ってほしいものです。
はじめまして。ぞう先生と申します。僕は20年以上、小学校の先生をやっています。今まで見てきた子どもの数はざっと1000人を超えます。そのかたわら、(旧ツイッター)では、継続の方法や自分の体験談を30〜50代の方向けに毎日投稿しています。「継続アカデミー」というコミュニティーを立ち上げ、主に大人向けに継続のコツ(やり方)を教えています。
話を元に戻して、先の親御さんの悩みの答えとして僕はいつもこう話します。
「何でもコツコツと継続してやれるようになると成績は伸びますよ」
すると、ほとんどの方がそれはよくわかるのですが……と前置きした上で、こう切り返してきます。
「うちの子、何をやっても三日坊主なんです」
「うちの子、私に似ていて何かをコツコツすることが苦手なんです」
断言します。継続できない理由として、「遺伝」「性格」「やる気」「根性」「意志力」はまったく関係ありません。
■上達するためには継続、コツを学べば誰でも継続できる
実は僕自身も先の親御さんと同じ考えを持っていました。自分には何かをコツコツやり抜く力がない、飽き性だ、継続できないと考えていました。
なぜそう思ったのかというと、これまでにじっくりコツコツと継続できた経験がなかったからです。何かやりたいことがあり、始めたとしても、三日坊主で終わってしまう。ひどい場合は一日でやめたこともあります。そういった経験から、「自分には継続は向いてない」と思い込んでいたのです。
でも、ある日、ふとこう思いました。
「継続もスポーツと同じで、何かしらのコツがあるのではないか?」
野球にはバットを振るコツがあります。ゴルフも正確なショットを打つコツがあります。テニスもバレーボールも水泳も、すべて「体の動かし方のコツ」というものが存在します。それ以外にも書道の書き方、絵の描き方、人間関係でさえコツがあります。だったら、継続にもコツがあるのではないかという仮説が浮かんだのです。
そこから僕は「継続」「習慣化」の名のつく本を読みあさりました。そして、今すぐできそうなことを自分の体を実験台にしてすべて実践しました。
すると、驚くことに1カ月、3カ月、半年、1年と継続できたのです。あれだけ自分には継続の才能がないと思っていましたが、その考えが180度変わりました。
継続できなかった理由は、遺伝でも性格でもやる気でも根性でも意志力でも才能でもなく、ただただ継続のコツ(やり方)を知らなかっただけだったのです。裏を返せば、やり方さえ知れば、誰でも継続は可能なのです。
■1000億円大谷翔平のマンダラチャートの「最重要部分」
今、世の中は「大谷フィーバー」になっています。現在ロサンゼルス・ドジャースで活躍する大谷翔平選手の、投打二刀流がメジャーリーグで通用しているだけでもすごいことなのですが、なんと2023年に日本人選手初のホームラン王を獲得しました。名実ともに、世界中の誰もが認める野球選手となっています。
そんな大谷選手が高校生のときに書いた、目標を達成するためのマンダラチャート(目標達成シート)がこちらです。これだけすごい記録を打ち立てたのですから、練習をしっかり継続していたのは間違いないでしょう。
しかし、ここで注目してほしいのは、人間性の部分です。人間性に必要なこととして「感謝」「礼儀」「思いやり」などを挙げています。どれも納得の言葉でしょう。
そしてその中の一つに、なんと「継続力」があります。
大谷選手は、継続力が身につくことで、人間性が磨かれると書いています。
大谷選手といえば、記録もさることながらその人間性が評価されることも少なくありません。きっと継続力を身につけたことで、人間的にも成長できたのだと思います。
僕は継続することを専門に教えているのでよくわかるのですが、高校生にしてすでにここまで理解していたのかと思うと感服します。
未来の自分を輝かせることの一つとして、継続は欠かせないと僕は確信しています。
継続力が身につくことのメリットは人間性の向上の他にもあります。継続することで何かをやり切り、達成感や満足感を得られます。その成功体験が自信になります。自信とは、自分が思い描いたことが現実化したときにわいてくるものです。そして、成功した経験が次のチャレンジへの意欲となります。
さらに、一度達成感を味わうと少々のつまずきではあきらめなくなります。失敗を糧にできるようにもなります。これらをくり返すことで、自分を好きになれるのです。
継続することは、継続したことの向上以外にもたくさんのメリットがあります。やるに越したことはないのです。それは、大人も子どもも同じことです。
■親の誤解は子どもに伝染する
しかし、一度も親が継続をすることでやり切った経験がないとしたらどうなるでしょうか? 以前の僕のように、自分には継続することは向いていないと言ってチャレンジすらしない。最悪の場合、自分ができていないのだから、子どもができないのは仕方がないと思ってしまっていないでしょうか。
直接口に出さなくても、その思いは子どもに伝わっています。
でも大丈夫です。これから僕がお伝えする継続のコツを読み、その通りにお子さんと一緒にやっていただけると必ず継続できるようになります。
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ぞう先生継続アカデミー塾長/現役小学校教諭
1980年生まれ、兵庫県神戸市出身。自身も三日坊主で「いろいろなことに挑戦するが続かない」という悩みを抱えていたが、小学校教諭として20年以上、1000人を超える子どもたちを指導してきた経験と、高校・大学での水泳部の経験から、「コツを知れば、誰でも継続できるようになる」ことに気づく。2022年より、継続のコツを教えるnoteメンバーシップ「継続アカデミー」を主宰。継続して、夢や目標を叶えるかっこいい大人を増やすことを目的に、SNS投稿や配信、講演を行っている。三児の父。本書が初の書籍となる。
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(継続アカデミー塾長/現役小学校教諭 ぞう先生)