制約的政策、当面維持も インフレ低下確信に時間要=FRB議長

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[ワシントン 16日 ロイター] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は16日、インフレの2%回帰に向けた「一段の進展の欠如」を踏まえ、FRBは予想されていたよりも長期間、高水準の金利を維持することが必要となる可能性があるという見解を示した。 

パウエル議長はワシントンで行われたイベントで、「最近のデータは明らかにわれわれに自信を与えるものではなく、むしろその自信を得るには予想よりも長い時間がかかる可能性が高いことを示している」と指摘した。

その上で「労働市場の力強さとこれまでのインフレの進展を踏まえると、制約的な政策がさらに時間をかけ効果を発揮することを容認し、データや変化する見通しに依存することが適切」と述べた。

議長は「インフレ上昇が持続するようであれば、必要な限り金利を現在の制約的な水準に維持することができる」と強調。同時に「労働市場が予想外に弱含めば、緩和するかなりの余地がある」とした。

パウエル議長は先月7日、上院銀行委員会の公聴会で行った証言で、FRBが利下げに着手するために必要なインフレ低下に対する確信は「そう遠くない」将来に得られるとの考えを示した。

ただ、この日の発言ではそのような見解を示さなかったほか、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に示された、1月と2月のデータはインフレが徐々に減速するという「全体的な状況」を変えていないとの見方も示さなかった。

また、FRBが注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数について3月は2月と同じく2.8%上昇となる可能性が高いほか、3カ月および6カ月平均は「その水準を実質的に上回る」とした。

今回のパウエル議長の発言は、30日━5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)前の最後の公の場での発言となる可能性が高い。