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 土曜日に行われた1.FCケルン戦での敗戦を受け、VfLボーフムの首脳陣はブンデスリーガ残留を果たすべく、新たな刺激策に打って出る必要性を感じているようだ。先月にはバイエルン・ミュンヘン撃破に成功するなど、リーグ戦の中位を争い高く評価されていたトーマス・レッチュ監督が、まもなくして解任されることになりそうだ。

 だがそもそも何故、ボーフムの首脳陣はリーグ戦残り6試合というタイミングで、火消し役か長期的なプランでの招聘かといった複雑な事情も絡む中、あえて監督交代というリスクをおかす必要があるのだろう?もともとブンデス残留が目標という中で、まだ入れ替え戦となる16位マインツとは勝ち点差6、自動降格圏内となる17位ケルンとは勝ち点差4という状況なのだが・・・。

バイエルン撃破も、下位3クラブに痛恨の勝ち点1

 実は前述のバイエルン戦での勝利からのリーグ戦6試合、ボーフムは1分5敗と未勝利が続いている上に、前述のマインツや最下位ダルムシュタット、そして今回のケルンとの、非常に重要な直接対決がこの中に含まれているのである。しかもこれまで抱え続けてきた問題は解決の兆しさえみられず、週末の試合でもボーフムは悪癖を露呈してロスタイムに2失点。

 それまでは1-0とリードし、ブンデス残留に大きく前進する可能性があっただけに、「これは1つの敗戦という言葉だけで、到底片付けられる問題ではない。現状ではコーチ陣含めて全員が問われている。」と、パトリック・ファビアンSDが厳しい言葉を残したのも頷ける話で、当初ビルトが報じキッカーでも確認した情報では週明けにも監督交代劇が展開する模様。

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17位ケルン戦でも露呈、終盤に脆さ、アウェイ最弱

 今季のリーグ戦においてアウェイ戦で最も弱いという脆弱さは、今回のケルン戦でも如実に現れており、この試合のロスタイムまでリードしていたこと自体が幸運だったと言えるでしょう。唯一の枠内シュートがゴールネットを揺らしていたような状況です。ロスタイムでの最初の失点でもまだ勝ち点1の確保が可能でしたが、レッチュ監督はその最低限の目標にさえチームを導くことができず、これほど下位のチーム相手にしても容易に餌食にされてしまう。

次期監督候補は小野伸二時代のあの人

 そこで次期監督候補として議論されているのは、たとえば昨季にウニオンを2部からCLにまで導いたウアス・フィッシャー監督や、1986〜88年までボーフムを率い長年バイエルンでACを務めた大ベテラン、ヘルマン・ガーランド氏などが浮上しているが、いずれも非現実的で、むしろ小野伸二選手を獲得した2008年までボーフムでマネージャーを務めていた、東京五輪では元ドイツU21代表監督を率い、直近ではトルコ代表を率いたシュテファン・クンツ氏が有力視されているところ。早ければ今週末にも新指揮官がベンチに座っているかもしれない。