中国のロボットメーカーであるUnitreeが開発する人型の二足歩行ロボット「Unitree H1」の最新バージョンとなる「Evolution V3.0」が、二足歩行ロボットの走行速度で世界最速を記録しました。

Chinese scientists build world's fastest humanoid robot - but it's not going to win any sprints just yet | Live Science

https://www.livescience.com/technology/robotics/chinese-scientists-build-H1-worlds-fastest-humanoid-robot-but-its-not-going-to-win-any-sprints-just-yet



Unitree H1はUnitree初のユニバーサルヒューマノイドロボットで、スピード・パワー・操縦性・柔軟性に優れた中国初の「走れる人型ロボット」であるとアピールされています。安定した走行性能と柔軟性の高い運動能力を持ち、複雑な地形や環境でも自律的に歩行・走行が可能です。Unitree H1の高さは約1.8メートルで、重量は47kg。

そんなUnitree H1の最新バージョンとなるEvolution V3.0が、二足歩行の人型ロボットとしては世界最速の走行速度を記録しました。以下の動画は実際にUnitree H1が世界最速の走行速度を記録した際の様子を収めたものです。

Unitree H1 Breaking humanoid robot speed world record [full-size humanoid] Evolution V3.0 - YouTube

Evolution V3.0は、時速7.4マイル(秒速3.3メートル)で走行可能。なお、UnitreeによるとEvolution V3.0の走行速度は潜在的に時速11マイル(秒速5メートル)に達する可能性があるとのこと。



ダンスのような全身運動も可能。



垂直跳びもできます。



着地時に少しよろめきますが、うまくバランスを取ることに成功。Unitree H1は片脚につき腰付近に3箇所、膝と足首部分に1箇所ずつ自由に動かすことができる重量部分があるため、人間が体重移動をしてバランスを取るように、Unitree H1も自在にバランスを取ることができます。



両手でかごを持ち運びする器用さも兼ね備えています。



幅の狭い階段の上り下りも自由自在です。





階段を後ろ向きに降りながら、体の向きを反転させるという高度な動作も倒れず実行可能。







Unitree H1の胴体上部にある小さな頭のような部分は、センサーとカメラが搭載されたセンサーアレイです。Unitree H1は3D LiDARテクノロジーを用いて周囲環境を常にマッピングしながら、前面の視覚深度カメラを使用して距離を測定し移動します。脚が固定されている股関節部分のトルクは最大360ニュートンメートル(Nm)。なお、電車のトルクは約4万Nm、ハマーEVのトルクは約1.5Nmです。

Agility RoboticsのCassieは100メートルを時速9マイル(秒速4メートル)で走ることが可能ですが、これは二本の脚しかないロボットであるため、二足歩行の人型ロボットとしてカウントされていない模様。

なお、ボストン・ダイナミクスの開発する四足歩行ロボットのBigDogは、秒速1.7メートルで走行するため、Unitree H1の走行速度がいかに速いかがわかります。