仏パリ市内の建物の壁に描かれた「ダビデの星」(2023年10月31日撮影)。(c)Geoffroy Van der Hasselt / AFP

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【AFP=時事】仏パリ市内および近郊の建物に昨秋、「ダビデの星(Star of David)」が落書きされた問題について、当局はロシア連邦保安局(FSB)が関与したとの見方を示している。関係筋が23日、明らかにした。

 イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の軍事衝突が始まってから数週間後の昨年11月、仏検察は、パリ市内および近郊の建物にダビデの星の落書きが60個見つかったと報告した。こうした行為はユダヤ人への脅迫と解釈されている。

 事件をめぐっては、モルドバ人の男女2人が逮捕されている。捜査関係者は匿名を条件に、2人に指示を出していたとされる親ロシア派のモルドバ人実業家を特定したと明らかにした。モルドバは旧ソ連構成国だったが、1991年に独立した。

 関係者は日刊紙ルモンドが最初に報じた機密書類の情報を引用し、仏内務省の情報機関、国内治安総局(DGSI)は、画策したのは、ロシア国外での作戦を担当するFSB第5部だと判断していると述べた。FSBは旧ソ連の情報機関KGBの主要な後継機関。

 FSB主導とされるこの作戦について、ルモンドは、ポーランド、スペイン、ドイツ、ルーマニア、オーストリアも標的とした広範な偽情報拡散の一環だったと報じている。

【翻訳編集】AFPBB News

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