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TVアニメ『俺だけレベルアップな件』が2024年1月6日より放送スタート! 小説・WEBTOONと幅広いメディアで展開される本作は、「人類最弱兵器」と呼ばれていた青年・水篠 旬が自身の能力を向上させる術を身につけ、高みへと駆け上がっていく姿が描かれる。
この度今作のキャスト、水篠旬役の坂泰斗さん、諸菱賢太役の中村源太さん、向坂雫役の上田麗奈さんによる鼎談が実現。アフレコ現場の様子や演じるキャラクターと自身との共通点についてお話をうかがった。

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――まずは『俺だけレベルアップな件(以下『俺レベ』)』の第一印象からお聞かせください。

坂 アニメ化決定前から度々タイトルを見かけていましたが、初めて作品に触れたのはオーディションのお話をいただいた時です。そこには主人公・水篠旬が泥臭く努力を重ね、その結果として強くなっていく姿が描かれていて、その成長がすごくロジカルで引き込まれました。人気 の理由がわかった気がしました。

中村 僕はアニメ化が決定してから原作を読ませていただいたのですが、まず絵の綺麗さとフルカラーであることに驚かされました。そのうえ描写も繊細。これが映像化されるのかと考えた時、すごくワクワクしたのを覚えています。

上田 すごくシビアな作品、というのが第一印象で、登場するモンスターの全てに心から恐ろしさを感じました。
それに対峙する水篠旬くんが最弱でありながらナニクソ根性で挑んでいく姿は、見ていて複雑な気持ちにもなりましたが、一方でその果敢さに勇気を貰えましたね。

――では、演じるキャラクターとご自身との共通点があるとすれば、どこですか?

坂 旬と僕はとにかく似ていて、「全てが共通している」とすら言えると思っています。人と比べて劣等感を感じてしまうところ、それをバネに行動するところも通じる部分を感じ、心理描写のひとつひとつにも共感せずにはいられませんでした。感情移入のあまり、演じていて辛くなることもありましたね。

上田 雫さんは強くて美しく、どこか浮世離れした存在です。ただ、その全てが「この世界で生きなければいけない」という切迫感から来ていて、そこは私と共通していると感じました。私も声優として食べていくため必死に食らいつきながら仕事をしていて、常にいっぱいいっぱいな状態ですから。

中村 諸菱くんと僕の共通点は……時々調子に乗ってしまうところですかね(笑)。彼はとにかく明るくて素直なキャラクターです。ただ素直すぎて時々調子付いたことを言ってしまうこともあるんです。そこが彼の可愛さでもあり、僕とも通じていると言いますか……。

坂 中村君は収録現場でも諸菱くんそのものでしたね。彼の人柄のおかげで収録現場が明るくなった。本作になくてはならない存在でした。

中村 もっと言って!(笑)

坂 調子に乗られると困るので、これ以上は言いません!(笑)

――収録も、この様なムードで進行した感じでしたか。

中村 とても明るい現場でしたね。坂さんが積極的にみなさんに話しかけてくれたおかげで、和気藹々としながら収録ができました。だから僕も、こうした賑やかしができたと言いますか(笑)。

――坂さんも意識してそう振舞われた?

坂 そうですね。良い作品を作るには、現場の風通しがよくないといけないと思っています。その環境を整えるには座長である僕が行動するのが一番。できる限りみなさんに話しかけ、フラットな空気を作るよう心がけました。

上田 私は坂さん、中村さんとは一緒にアフレコする機会がなかったんです。ただ、坂さんが作ってくださったフラットな空気は常に感じていました。
コロナ禍でバラバラに収録していた時期を経て、今久々に集まっての収録ができている。その中で現場の空気にまで気を回してくれる座長・坂さんの姿勢にはすごく感銘を受けました。

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――アフレコの際に意識していたことはありますか。

坂 旬は序盤、最弱ではありながらも芯の部分に強いものを持っているじゃないですか。なので、弱々しすぎる演技にならないよう気をつけていました。ただ、それに対して「強すぎる」というディレクションをいただきまして……。

――序盤にしては強すぎた、と。

坂 そうなんですよ。今後さらに強くなっていくことを考えると、このままの演技でいくと力を手に入れた後半の演技に差し支えが出るとお話しいただき、そこから微妙な強さの調整をしていきました。

――では、弱さを出すために実践したことはありますか。

坂 アフレコではマイクの高さをシーンによって変えていました。序盤はマイクを低くして猫背になって演技し、後半ではマイクを高くして胸を張ってセリフを発していたんですよ。これによって吸い込める空気の量を調整し、演技に強弱をつけました。

――なるほど。上田さん、中村さんはいかがですか?

上田 私も姿勢には気を遣いましたね。雫さんは凜とした雰囲気の女性であると同時に、目上の人と接するシーンが多かったので、背筋をいつもより張って演技するように心がけていました。
同時に今後の演技の方向性に幅を持たせることも意識しました。序盤では雫さんは全ての表情を見せていないんですよ。なので今後の彼女がどんな表情を見せてもいいように、選択肢を持たせておく必要があると考えました。

中村 諸菱くんは愛嬌があるキャラクターなんですが、そこに意識を向けすぎると可愛らしさが際立ちすぎてしまうんです。なので、スタッフの皆さんと落としどころを調整していき、素直さを強調する方向で演技しました。

――本作では、旬が危険なダンジョンに挑む姿も描かれます。いったい何が彼を突き動かしていると思われますか。

坂 強くなり、弱者として虐げられる状況から脱したいという想いが彼を突き動かしていると思います。もちろん家族のためということもあると思いますが、それは副次的なもの。あくまで彼は自身のエゴのために動いているのではないでしょうか。

上田 今の坂さんの話、私の中でもしっくりきます。彼は自分の中に目的や理想を常に持っていて、そこに向けてひたすらに進んでいくんです。だから、強くなりたいという大きなエゴを抱えることになったのではないかと。

――そんな旬のことを、諸菱くんはどう捉えているのでしょうか。

中村 初対面の時は彼を同類と見ていたはずが、徐々に得体の知れない者への恐怖へと変わっていったのではないでしょうか。ただ、恐怖を感じながらも彼に惹きつけられている部分もあったように思います。

――では最後に、本作の注目ポイントを教えていただければと思います。

中村 映像と音楽の組み合わせに注目してもらいたいです。話を追うごとに、このふたつが血をたぎらせるものへと進化していくので、楽しみにしていてください。僕もみなさんと一緒に、放送を堪能していきたいと思っています!

上田 私が注目してほしいのは、登場するモンスターたちの描写です。その動きにはおぞましさと同時に彼らの思念すら感じられますので、作品の面白さがさらに一段増すのではないかと思います。

坂 アニメでは原作で描かれなかった各キャラクターのバックボーンも描かれます。原作を読んだ人にも、そうでない人にも楽しめる一作となっていますので、ぜひ毎週観てください!

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