物流大手のFedExが新たにデータ駆動型の電子商取引(eコマース)プラットフォームの「fdx」を2024年秋に立ち上げると発表しました。fdxは、FedExのライバル企業であるAmazonと競合するプラットフォームとなるとみられています。

FedEx Announces First-Of-Its-Kind Data-Driven Commerce Platform

https://newsroom.fedex.com/newsroom/global-english/fedex-announces-first-of-its-kind-data-driven-commerce-platform



FedEx is launching a new e-commerce platform as it competes with Amazon - The Verge

https://www.theverge.com/2024/1/14/24038042/fedex-fdx-e-commerce-platform-amazon-rival-shoprunner

FedExは2020年にオンライン通販サイトであるShopRunnerを買収しています。今回発表されたfdxは、このShopRunnerがベースになっているそうで、配送予定日と時間帯をリアルタイムで共有し、配送の透明性が高められているそうです。

また、fdxは販売業者がさまざまなデータを提供して意志決定ができるような「データ駆動型プラットフォーム」になっており、2024年秋の提供開始時にはFedExのデータを利用した「より効率的でコストパフォーマンスの高い配送」が可能になるとのこと。

FedExの社長兼CEOを務めるラジ・サブラマニアム氏は「FedExは1日あたり1500万個の荷物を輸送する規模と洞察を活用し、広範な物理的輸送ネットワークを活用したデジタル主導のビジネスに変革します。fdxを通じて、あらゆる規模の販売業者と長年にわたる関係を強化し、デジタルインテリジェンスを通じてビジネスを最適化し、成長させるのをサポートします」とコメントしました。



by Direct Relief

FedExがeコマースプラットフォームを立ち上げた背景には、年々激化するAmazonとの競争があるとみられます。

もともとオンライン通販サイトを運営するAmazonは、大量の商品をユーザーの下に素早く届けるため、FedExやUPSといった物流大手と契約を交わしていました。しかし、Amazonの荷物は年々増加し、FedExやUPSでも対応しきれない状況が問題となっていました。



by frankieleon

2019年にFedExは、貨物航空部門子会社であるFedEx ExpressによってAmazonの貨物を輸送する契約の更新を拒否しました。これを受けて、Amazonはサードパーティーの販売業者に対し、年末年始の配送にFedExを利用することを禁止すると通達しました。

Amazonがサードパーティ業者に対してFedExの配送サービスの利用禁止を通知 - GIGAZINE



なお、AmazonはFedExやUPSとの提携を解消した後、サードパーティーの請負配達業者を駆使した独自の物流オペレーションを構築。その結果、2023年11月時点でAmazonの宅配荷物の取扱個数がついにFedExやUPSを上回っています。

Amazonが配送大手のUPSとFedExを抜いてアメリカ最大の配送業者に - GIGAZINE