「TENGAトーク!ここだけの広報裏話 in バーチャ場」

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「TENGAの商品って、発売までに誰がどのくらい試しているの?」、「TENGAの社長、めちゃくちゃ遊んでそうだよね」......こうした疑問にTENGA(東京都中央区)広報が答えたり、おすすめ商品をプレゼンしたりするイベント「TENGAトーク!ここだけの広報裏話 in バーチャ場」が、2023年12月7日に行われた。

同社広報の西野芙美さん、橘涼太さんが、抽選で選ばれた参加者だけに、(1)商品開発は完全内製!!社員の体を張った使用試験であわや...、(2) 会社が思うTENGAと、世間が思うTENGAのギャップ、二つの裏話を暴露。J-CASTが運営するメタバース空間「バーチャ場」で実施されたイベントの一部を、記事でお伝えする。

試作品を使っていたら「キュポン」

まず、「発売前商品の使用試験」について赤裸々に語り始めた橘さん。外部にゆだねることはせず、開発部をはじめ、マーケティングや広報、営業部、人事部などTENGAのあらゆる社員が使用感をレポートにまとめ、提出しているという。「『気持ちいい』の言語化が難しい」そう......トーク序盤から、ぶっちゃけが止まらない。

使用試験にはTENGA代表取締役社長・松本光一氏も参加しているといい、2015年にはまさかの珍事が。看板商品の「オリジナルバキュームカップ」に装着するオプションアイテムで、カップ内を真空状態にする「バキュームコントローラー」を開発していた時のこと――松本社長の体を、ある悲劇が見舞った。

「試作品3号機の使用感や吸引感が非常に良く、色々使っていて楽しくなりすぎて......そうしたら『キュポン』と、良い音がしたと」(橘さん)

要するに、「全て」がカップ内に吸い込まれたまま真空状態になってしまい、抜けなくなったのだ。少しずつ隙間を作って必死の脱出を試み、事なきを得たそう。なお、この失敗をもとに同商品には真空状態を開放し、吸引力を弱める「リリースボタン」が実装されたという。

西野さんも、ぷるぷるのストレッチ素材で作られている「TENGA UNI」の使用試験エピソードを明かした。試作品を6つ渡され、内訳はゲルの硬度がそれぞれ異なるものが3種類ずつ。使った結果「ゲルの硬度わからん!と思った」。非常に微細な違いにこだわって開発されるため、橘さんも「使用試験はマニアックな差を試させてくる、ハードな仕事です」とぽつり。 TENGA社員は「感覚が研ぎ澄まされすぎている説」が、まことしやかにささやかれているそう。

コロナ禍前に行っていた社員旅行でも、それをうかがわせる出来事があったそうだ。

西野さん「宿泊先の大宴会場で、TENGA EGG(編注:タマゴ型ケースに入った使いきりの男性用アイテム)の切れ端を後ろ手で触り、感触だけで種類を当てるゲームをやっていて。マジか、そんなのできないでしょ、と思っていたら、選ばれた社員6人のうち、半分が即答!」
橘さん「怖い(笑)」
西野さん「そんな細かい違いがわかるの!? 怖いってなりました(笑) レベルが高すぎて」

男性向けアイテムの「潮流」、現在の売れ筋は

イベント終盤では、発表されたばかりの「TENGAグランプリ2023」について、広報視点で考察・解説。同グランプリは、22年9月〜23年9月に販売された全123のTENGA製品からユーザーと共に「最強のTENGA」を決定するアワードで、4部門(使い切り、繰り返し、カップル、電動)に加え、殿堂入りや、その年の総合ランキングといったカテゴリがある。「ユーザーたちからの愛が伝わってくる結果」になっているそうだ。

西野さんは「男性向けアイテムにも潮流がある」と明かし、自身が入社した頃は「ハード(設計)」が注目されていたが、現在はソフトな質感の商品がアツいそうで、マシュマロ触感の「TENGA Puffy」が売れ筋だという。繰り返し部門で10位にランクインしている。

TENGA公式オンラインストア限定で、各アワードの上位受賞にあたる関連製品が10%オフになるクーポンコードを公式サイトで公開中。期限は24年2月29日まで。

主催者と参加者が、一体となって盛り上げる

本イベントでは熱量の高いファンと、TENGA公式X(旧ツイッター)中の人がチャット機能を通じてトークに参加。質問を投げかけたり、商品の使用感レビューを書き込んだりして場を盛り上げ、西野さんと橘さんが適宜応じることで、リアルタイムコミュニケーションを楽しみながらの一時間となった。

トークイベント後、西野さんは「メタバースを活用することで、実際のイベント会場に出向かずともさまざまな人とお話できるのが本当に便利だった」とコメント。遠い地域に住んでいる相手とも、気軽に交流できるのが嬉しかったそう。

「既存のウェビナーシステムでは主催者/参加者の垣根がはっきりしていることが多いですが、バーチャ場ではインタラクティブに会話やリアクションができるので、一体感が増すように感じました」

また参加者の中には、TENGAに対して科学素材の観点から興味を持っている理系の学生もおり、「思わぬ出会いが得られた」と振り返る。SNSは1対多数のコミュニケーションだが、「バーチャ場は1対少数の密なコミュニケーションが取れる」ため、今後もファンミーティングなどを実施したいと展望を語った。