(※写真はイメージです/PIXTA)

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一言でいうなら、株式とは「その会社の所有権の一部」です。そしてそれを買うことは、食品や衣類、電化製品や家具などを買う普段の買い物と、特に異なる行為ではありません。そのため、普段の買い物を上手にできる人は、株も上手に買える人と株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。そこで今回は、株式投資のプロが日常での買い物でも、株を買うときにも「やらないようにしていること」について、解説します。

1.暇つぶしのように株を買わない

単に暇だからという感情で、ネットで買い物をしたり、どこかのお店に入って買い物をしたりする人がいるかもしれませんが、これは悪癖の1つでしょう。そしてそれは、株式投資でも同様です。

株式投資は、実に面白いものです。それを始めた人たちは、株の売買そのものに快感を覚えるようになります。

しかし当然ながら、買う必要もないのに株を買っていては、損失が出るでしょう。買うべき株のみを買うことが、利益を出すためには必要なのです。

ところが、探しても買うべき株がないのに、現金に余裕がなく株を買うことは高リスクを伴うのに……暇つぶしのように株を買ってしまう人もいます。普段の買い物と同じように、これは悪癖といえるのではないでしょうか。

普段の買い物でも株でも、なにかを買うのは面白い行為です。人間の所有欲という本能を満たすからかもしれません。しかし、暇だからといって買い物をするのはやめたほうがいいでしょう。そして普段からそれを心がけていれば、それは株式投資にも生きるのではないでしょうか。

2.見栄や嫉妬で買い物しない

人間は時に、もともとは「必要だ」「欲しい」などと思っていなかったのに、「誰かに見せびらかしたい」「あの人が持っていたものだから自分も手に入れたい」という感情で買い物をしてしまうことがあります。これは、見栄や嫉妬での買い物といえるでしょう。そして、これもまた悪癖といえるのではないでしょうか。

株を買う場合で考えると、「知名度の高い会社の株主になりたい」「好決算で株価が急上昇したあの会社の株を買いたい」という感情なども、それに当たるでしょう。

しかし、単にそれだけの理由で株を買うことが、どんなに危険であるかは冷静になって考えればわかるはずです。知名度が高くても儲かっていない会社もありますし、ある会社の株価が急上昇してもそれがさらに上がるかはわかりません。そんな感情で株を買い、損をすることは十分にありえるのです。

見栄や嫉妬で買い物をするのも、やめたほうがよいでしょう。自分にとって本当に必要なもの、欲しいものに狙いを絞って買った方が、喜びも大きいのではないでしょうか。そしてそんな買い物の仕方もまた、株式投資に生きるはずです。

3.対象株式の「価値」を見極め、高い価格で買わない

「いまなら安いから、買う」「高くてありがたみを感じるから、買う」といった買い物をする人もいますが、これもまた悪癖といえるでしょう。

よく、「いまならいくら」といった広告がありますが、それが本当にいまだけかどうかはわかりません。また、本当に売れる商品は値下げの必要もないはずです。ですから、それは結局、消費を促進させるための謳い文句であり、それが特別に安いかどうかはわからないのではないでしょうか。

逆に、高いほうがありがたがられる商品もあります。しかしその商品のその価格は、本当に適正なのでしょうか。それ自体の価値はそこまで高くないのに、高級感を出すための店舗内装、広告宣伝、人的サービスなどの経費が上乗せされて、価格が上がっている可能性もあります。投資家ならば、「買った直後にそれを売った場合、いくらになるか」を考えてもよいでしょう。

もちろん、それらが本来持っている価値以下の価格で買えるならば、それはいい買い物だといえます。要するに、まずは買う物の価値を見極めることが、いい買い物には必要だということです。

普段の買い物でも、株でも、同じです。値札はついていますが、それは一度無視してその価値を自分で見極めて、それより高い価格で買わないことが重要なのです。

一度値札を無視してその価値を自分で見極める癖をつける

暇だからといって買い物をするのはやめたほうがいいでしょう。見栄や嫉妬で買い物をするのも、やめたほうがよいでしょう。普段からそれを心がけていれば、それは株式投資にも生きるのではないでしょうか。

また、いざ買う際は、一度値札を無視してその価値を自分で見極めて、それより高い価格で買わないことが重要です。それもまた、普段の買い物でも株でも、同じでしょう。

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓